北口榛花 34センチ更新の日本新で5勝目 またまた最終6投目に世界女王の貫禄
「陸上・ダイヤモンドリーグ」(8日、ブリュッセル)
女子やり投げで8月の世界選手権金メダリストの北口榛花(25)=JAL=が67メートル38の日本新記録で優勝し、今季3勝目、通算5勝目を挙げた。従来の記録は7月のDLシレジア大会で自らがマークした67メートル04だった。年間上位選手で争う16、17日のファイナル(米オレゴン州ユージン)への進出を既に決めている。女子5000メートルでは田中希実(ニューバランス)が、14分29秒18の日本新記録で3位に入った。
世界女王の貫禄を示す一投だった。北口は最終6投目でブリュッセルの観客に手拍子を求め、助走に入った。最後に足を滑らせて体勢を崩しながらも、7月に出した日本記録を34センチ更新するビッグスロー。「自分でもびっくり。自信になる」と跳び上がって喜びを爆発させた。
59メートル台だった1投目から投げ出す角度や助走の修正を重ね「最後は絶対まとめなきゃいけない」と集中を研ぎ澄ました。8月の世界選手権でも最後の6投目で逆転優勝。最終投てきでの強さは真骨頂だ。鋭く放ったやりはきれいな弧を描き、チェコ人のセケラク・コーチも「よくやった」とねぎらった。
世界選手権の疲労も残る中で2投目に65メートル台でトップに立つと、1投目以外は60メートル越えの安定感。徹底した技術の探究心が強さを支える。年間上位選手で争う今月中旬のファイナルへも弾みをつけた。「記録も狙っていかなくては。68メートル台を目指して頑張りたい」と声を弾ませた。





