大相撲 元大関栃ノ心が引退会見「相撲をとるのが怖くなった」脱臼した左肩が限界「力も出ない」
日本相撲協会は19日、元大関で東十両5枚目の栃ノ心(35)=春日野=が引退届を提出して受理されたと発表した。今場所は初日から5連敗を喫していた。
栃ノ心は両国国技館で師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)と会見。初場所で左肩を脱臼して以降は「自分の相撲が取れなくなった」と明かし「残念だけど力も出ない。相撲をとるのが怖くなった。ファンのみなさんにこういう相撲を見せるのが恥ずかしい、申し訳ないと思って決めました」と引退を決断した理由を語った。
ジョージア出身で、2006年春場所で初土俵を踏んでから17年の力士生活。「日本語も知らなかったし、相撲も知らなかった。何とか頑張ったと思う。日本に来て相撲をやれて感謝しています」と感慨をにじませた。一番の思い出には、18年初場所14日目に初優勝を決めた松鳳山との取組を挙げた。
三役昇進後、13年名古屋場所で負った右膝の大ケガで幕下転落も味わった。それでも「ケガがあったからこそ、その後も頑張った。もうちょっと頑張ればいいことあるかなと。相撲に対する考え方も変わった」と振り返った。師匠からかけられた「あと10年相撲を取らなきゃいけないよ」との言葉に力をもらい、その後の優勝、大関昇進という復活につなげた。
母国・ジョージアからの応援について問われると「本当に感謝の気持ちしかない」と涙ぐんだ。今後については、日本国籍を取得していないため、日本相撲協会には残らない。「どんなことをやろうか決まっていない」としながらも「日本には大勢知り合いもいるし、日本にも住みたいし、ジョージアと行ったり来たりできれば」と希望を語った。春日野親方は「引退相撲、断髪式は考えている」と話した。





