故障、体調不良も…伊藤美誠らV候補が続々敗退の波乱、疲弊にじむ選考会 4強早田ひなも満身創痍「吐き気した」

 2回戦、第6セット終盤でタイムを取り、気持ちを落ち着かせる伊藤美誠(撮影・伊藤笙子)
 2回戦、長崎美柚(手前)に苦戦する伊藤美誠(撮影・伊藤笙子)
 2回戦で横井咲桜にフルセットの末、勝利し拳を突き上げる早田ひな(撮影・伊藤笙子)
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 「卓球・全農カップ平塚大会」(6日、トッケイセキュリティ平塚総合体育館)

 第4回パリ五輪代表選考会として準々決勝まで行われたが、優勝候補が姿を消す波乱が続出した。女子ではパリ五輪選考ポイントで現在2位の木原美悠(木下グループ)が初戦で敗退し、東京五輪代表の伊藤美誠(スターツ=は2回戦で長崎美柚(木下グループ)に苦杯。男子ではともに世界選手権(20日開幕、南アフリカ・ダーバン)代表の吉村真晴、篠塚大登、及川瑞基が1回戦で姿を消した。

 トップ選手は1月から世界選手権アジア大陸予選、全日本選手権、Tリーグ、国際ツアー大会など国内外で過密日程が続き、4月も国際大会を転戦してきたばかりとあって、全体的に疲労感がにじみ、重苦しい雰囲気が漂っている。

 国内選考会で苦戦が続く伊藤は、1月頃から腰付近に痛みを抱えていることを告白。大会後に検査を受けるといい「自分の100%の力が出せず、30~40%だった。(選考会で)大事な大会とわかっていたが、無理はしなかった」と苦しい胸の内を明かした。さらに男子1回戦で途中棄権した篠塚も、4月の海外遠征中に腰を痛めていたことを明かした。

 早田ひな(日本生命)も4強入りを果たしたが、2回戦はフルゲームの接戦で一時マッチポイントまで握られただけに「私も元気とは言えない。今日の朝も感じたことのないくらい体調が悪くて、2回戦は吐き気がした」と吐露。「(体力的には)死にそうだが、(なんとか踏ん張って)死んでなくて良かった」と苦笑いし、翌日の準決勝以降に向けて「体力は削られているが復活できるところまではケアをして、元気よく…できるかはわからないが、自分自身の100%を出したい」と歯を食いしばった。

 日本協会が国内選考会を中心に独自にポイントを設けたパリ五輪代表選考は、来年1月の全日本選手権を終えた時点での上位2人がシングルス代表に決まる。選考では世界ランクが度外視される一方で、実績のある有力選手はランク上位をキープするため国際大会にも随時出場。体力面、気力面、国内外で戦い方を切り替える戦術面で負担を強いられる。

 伊藤は「ケガしても(選考等が懸かって)出なきゃいけない大会がいっぱいある。正直、(出場している)選手はみんな厳しい」と打ち明けた。男子で準決勝に進んだ張本智和(智和企画)も「正直、体はキツい」と疲労の色を隠さなかったが、世界選手権出発も控える中で「キツいけどやるしかない」と自分に言い聞かせていた。

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