フィギュアスケート・アイスダンスの村元哉中（３０）、高橋大輔（３７）組＝関大ＫＦＳＣ＝が２日、都内で現役引退会見を開いた。２人は１日にチームのインスタグラムで現役引退を報告していた。アイスダンスの魅力を伝えた名カップルが迎えた節目の時。担当記者が２人の素顔に迫った。

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　３月の世界選手権。去就を聞く報道陣の質問には「まだ現役を続けられますよね？」と、熱のこもった内容が続いた。それだけ人を魅了する力が“かなだい”にはある。

　４月の世界国別対抗戦では、フリーダンス「オペラ座の怪人」で自己ベストを更新。魂の演技で競技生活を締めくくった。高橋は複数の審判から「やっとアイスダンサーになったね。続けるよね？」と声をかけられたという。「本当にうれしかった」－。

　それでも決意は揺るがなかった。引退を明かせなかったことを、高橋は「記者の皆さんには申し訳なく思っています」と謝った。言えなくて当然なのに、ここまで記者を気遣ってくれる姿勢に人柄の良さがにじんだ。

　結成会見で「決めポーズ、ないですよ」と話していた高橋は、すっかり息の合ったポーズで写真撮影に応じた。ちょっぴり寂しい気持ちになりながら２人を見送って－。部屋を出る時、そろって一礼してくれた。これだから、人々に愛されるのだと思う。（２２年～担当　デイリースポーツ・田中亜実）