貴景勝 綱とりへ初星 一気押し出し連敗逃れた 八角理事長「良い相撲」
「大相撲春場所・2日目」(13日、エディオンアリーナ大阪)
大関貴景勝は平幕玉鷲を押し出し、初日を出した。連敗を免れ、悲願の綱とりへ再加速する。平幕正代は新関脇霧馬山を押し倒して連勝スタート。3関脇がそろって敗れ、若隆景と豊昇龍は2連敗となった。若元春、琴ノ若、大栄翔、翔猿の4小結が、そろって2連勝を飾った。
ショックを引きずらなかった。初日の黒星から一夜。貴景勝に迷いはなかった。立ち合いで鋭く当たり、左で強烈におっつけて前へ。玉鷲に反撃を許さず一気に押し出した。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、連敗スタートから横綱に昇進した例は皆無。懸賞を受け取って土俵を下りる際、大関は小さく息をついた。2日連続で取材には対応しなかったが、ひとまずピンチを切り抜けたことは大きい。
この日の取組前、八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱になってもこういう場合はある。今以上に何倍もプレッシャーがかかる。このくらいで負けているなら横綱に上がれない」と精神的な強さを求めていた。その条件をクリアする白星に「良い相撲ですね」と評価。幕内後半戦の浅香山審判長(元大関魁皇)も「見ていて安心した。崩れずに自分の相撲を取った」と評価した。
黒星発進からの綱とり成功は、49年夏場所以降6人。3日目に好調の正代を退け、その流れを作り出す。





