朝乃山が三役3人を圧倒 若隆景、若元春、霧馬山に14勝4敗 「稽古できたのは楽しかった」
大相撲初場所で十両優勝を飾った元大関の朝乃山(高砂)が14日、都内の高砂部屋で稽古し、関取衆との26番の申し合いで20勝6敗だった。出稽古に来た関脇若隆景と小結若元春(ともに荒汐)、小結霧馬山(陸奥)の三役3人に対しても8連勝を含む14勝4敗。「稽古できたのは楽しかったし、いい相撲が何番か取れた」と振り返った。
自身の6場所出場停止期間中に飛躍した3人との手合わせ。「稽古前は正直、怖かった。押し込めるのか、簡単に押されるんじゃないか」と不安もあったいうが、圧力をかけて前に出る内容で圧倒。次の大関候補たちに元大関の実力を見せつけた。朝乃山に4勝8敗だった霧馬山は「稽古場でやったのはたぶん初めて。思ったより強かった。今の力じゃ無理。さすが(元)大関だなと思った」と脱帽。同じく0勝4敗だった若隆景は、最後の一番で左あばらを痛め、稽古を切り上げた。
朝乃山にとっては、ひさびさの三役陣との稽古。最も確認したかったという立ち合いでは、鋭い踏み込みで先手を取り続けた。「少しはいい相撲が取れたかな。幕内で取っていた時の相撲を思い出して取っていくしかない。今日の稽古に感謝したい」。表情にも充実感がにじみ出た。
先週末は地元・富山で激励会に出席。実家にも戻ると、仏壇に手を合わせて一昨年に相次いで亡くなった祖父と父に帰省を報告した。激励会では、今後の抱負を問われて横綱という言葉も出たが、この日は「訂正します。まだ言える立場じゃない。元にいた番付に戻りたい」と足元を見つめ直した。春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)は近大で4年間を過ごした大阪での開催。「いい成績を残したい」と意気込んだ。




