53年ぶり最速タイ、4日目で全勝消えた トップ14人の大混戦 八角理事長「予想通り」

 最後の全勝力士・豊昇龍も高安に敗れる(撮影・坂部計介)
  押し倒しで阿炎を破った阿武咲(撮影・坂部計介)
 霧馬山の小手投げで土俵に倒れる翔猿(撮影・坂部計介)
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 「大相撲九州場所・4日目」(16日、福岡国際センター)

 勝ちっ放しだった5人が相次いで敗れ、4日目にして早くも全勝が消えた。4日目で全勝が消えるのは1969年九州場所以来53年ぶりとなる最速タイで、15日制が定着した1949年夏場所以降2度目。平幕高安は関脇豊昇龍に土をつけて1敗を守り、トップに14人が並ぶ大混戦を演出した。大関陣は貴景勝が明生に、正代が逸ノ城に不覚を取り、いずれも2敗となった。

 歴史に残る一日を、高安が締めくくった。立ち合いで豊昇龍にかち上げを見舞うと、突き押しで体を起こして相手がバランスを崩したところをはたき込み。全勝力士の最後の砦(とりで)にも土をつけ、53年ぶりの珍事を完成させた。

 10月の稽古中に右足親指を痛め、秋巡業最終日を休場。今場所初日の取組後には右足を気にするしぐさを見せたものの、気迫十分の取り口は変わらない。3勝目を手にし「今日もよかった。いい当たりができた。前向きな相撲が取れました」とうなずいた。

 今年は優勝決定戦で敗れた春場所に続き、秋場所も千秋楽まで優勝争いを展開。若手が台頭する中で、元大関の地力を存分に示している。従来の思い切りのいい相撲っぷりの一方で、精神面ではベテランらしい落ち着きが目立つ。「いかにいいところ悪いところ全部、自分ですぐに反省して次に移行するか。引きずるって何のいいこともない。切り替えるスピードがいかに速いか。経験ですね」。そんな思考が、安定感を生み出している。

 勝ちっ放しが早くも消える展開。八角理事長(元横綱北勝海)は「これは予想通り。横綱、大関が(1敗に)いないわけですから。混戦ですよね」と語り、豊昇龍を破った高安の相撲を「圧力勝ち」と評価した。「自分の考えた相撲をしっかり土俵でできるように、集中して肩の力を抜いて頑張ります」と高安。大集団で進む賜杯レースで、本命に浮上する気配が漂ってきた。

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