道下美里、伴走者がゴールライン先に超え失格“幻の世界記録”に ゴールライン巡り混乱

 「東京レガシーハーフマラソン」(16日、国立競技場発着)

 昨夏の東京五輪・パラリンピック開催から1年を記念し、第1回大会が開幕した。昨夏の東京パラリンピックのマラソン(視覚障害T12)で金メダルを獲得した道下美里(三井住友海上)は、世界記録を上回る約1時間23分34秒で走ったが、伴走者の志田淳さんが先にゴールしてしまったことで失格。“幻の世界記録”となった。

 道下がゴールした時間帯は大勢の市民ランナーがゴールに押し寄せ、現場は混乱していた。通常の大会では外側レーンからゴールするが、ゴールは内側レーンになるという案内が、志田さんには「聞こえなかった」。結局ゴール位置が分からず、失格になってしまった。事前に選手、伴走者にゴールについての説明はなかった。レース後に大会運営に問い合わせ、ゴール位置は当日の混雑状況などを鑑みて決めることになっていたことを知った。

 志田さんは「私の全部ミスなんです。これは伴走者のせいです。私がミスリードしてしまったのが全て」としながらも、「ゴールの100メートルぐらい手前でどっち側、と指示をしている係員の方がいたが、われわれもどっちにいっていいか分からない状況だった。ゴールテープを急に張り出して、そこを切らないといけないのか、と目移りしてしまった」と苦い表情。一方の道下は「こういうこともあります。(志田さんは)悪くないです」と強調した。

 この混乱を受け、早野忠昭レースディレクターは記者会見で「ルール上、どうしてそういうことが起きたのかは原因究明中。究明できてない状況では何も申し上げられない」と説明。「運営側の責任なら改善しないといけない。今後調査をして対応したい。再発防止はどちらサイドの問題であってもないようにしたい」と話すにとどめた。

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