男子60キロ級・高藤直寿 日本男子最多タイ4度目V 真骨頂の引き出しの多さ披露

 「柔道・世界選手権」(6日、タシケント)

 男子60キロ級で東京五輪金メダルの高藤直寿(29)=パーク24=が決勝でエンフタイワン・アリウンボルド(モンゴル)に一本勝ちし、2018年以来4度目の優勝を果たした。山下泰裕らの日本男子最多記録に並んだ。

 淡々と勝利を重ねた。男子60キロ級で高藤が日本男子最多に並ぶ4度目の制覇を達成。頂点に立った東京五輪以来の国際大会でも強さは健在だった。「自分の経験を信じて闘うだけ」。堂々と畳に立つ姿は頼もしく、最後は客席で見守る仲間に4本の指を掲げて4連覇を誇示した。

 最初の2試合は難なく指導三つを引き出した。準々決勝は鋭い大内刈りで一本。東京五輪決勝を争った楊勇緯との準決勝も押し気味に進め、終了間際に鮮やかな内股で仕留めた。モンゴル選手との決勝は得意の小内刈りで有終の美。真骨頂の引き出しの多さを披露した。

 昨夏に悲願を達成した直後、パリ五輪への挑戦を決意。だが同時に「これでいつでもやめられる」との甘えもあったという。4月の全日本選抜体重別選手権決勝で屈すると「もっと貪欲にならなければ」と目が覚めた。

 29歳とベテランの域に入った。それでも「今が一番(強い)。それを証明するのが世界選手権」。有言実行で歴史に名を刻んだ。

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