高安 全勝の北勝富士止めた 悲願の初Vへ1差接近 「楽しくやります」

 「大相撲秋場所・10日目」(20日、両国国技館)

 平幕高安が全勝だった北勝富士に土をつけ、2敗を守った。8月に第2子となる長男が誕生。父の自覚も新たに悲願の初優勝を狙う。1敗の平幕玉鷲は大関御嶽海を破り、北勝富士とトップに並んだ。横綱照ノ富士がこの日から休場し、大関陣は2日連続の総崩れ。貴景勝は4敗目で、正代は9連敗。かど番の御嶽海は7敗目で、大関陥落へ後がなくなった。1敗の2人が11日目に激突。高安と錦富士が2敗で追う。

 ずっしりと重い高安が、勢いに乗る全勝力士を止めた。立ち合いでかち上げた後、北勝富士にハズで攻められてもひるまない。圧力をかけて逆襲に転じると、最後は右からガツンと押し倒し。相手は膝から崩れ落ちた。

 単独トップを引きずり下ろし、1差に迫る勝ち越しの8勝目。全勝相手の一番にも「あまり意識はなかった」と淡々と振り返った。地力を見せつける内容。「我慢して取れました。しっかり踏ん張れている」と自賛した。

 発奮材料がある。8月19日に第2子となる長男が誕生した。演歌歌手の杜このみ夫人が北海道で里帰り出産。高安は場所前に1泊2日で現地に向かい、愛息を抱いてきた。場所中も家族とのビデオ通話でパワーを充電。「子供が生まれた後の場所なので、記念になるようにベストを尽くしたい」と、父としての決意は強い。

 名古屋場所は新型コロナ感染で無念の全休。ただ、同様にコロナ全休明けだった春場所で優勝にあと一歩に迫った実績がある。今回も体のケアとトレーニングに充て「プラスになっていた」とフル活用。「場所前に稽古量も増やして取り組んできた。自信を持って取っている」と手応えは十分にある。

 決定戦で敗れた春場所を含め、優勝争いの経験は豊富。「まあ、なるようになる。ベストを尽くします。楽しくやります」と、まだまだ気負いはない。悲願の初優勝へ、元大関の存在感がグッと大きくなってきた。

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