体操2冠・橋本大輝 エースの自覚、東京五輪超え宣言 最上級の演技「ミスなく」

 「体操・全日本個人総合選手権」(21日開幕、東京体育館)

 体操の世界選手権(10月開幕、英リバプール)の代表選考会を兼ねた個人総合の全日本選手権は21日に東京体育館で開幕する。20日は公式練習と記者会見が行われ、男子で東京五輪2冠の橋本大輝(20)=順大=が「東京五輪の1位を超える演技」を誓った。

 “日本一”を目指す大会で、“世界一”を見据えた。会見した橋本は「世界一のチームを作るために、東京五輪の1位を超えるような、世界一にふさわしい演技をしたい」と宣言。2連覇に向け、気合をみなぎらせた。

 今季初戦は高いモチベーションで臨んでいる。東京五輪は個人総合と種目別鉄棒で金メダルを獲得しながらも、団体は銀メダル。世界選手権の個人総合と種目別鉄棒も銀メダルだった。「悔しい経験」と振り返るだけに、代表に内定している世界選手権に向けて「今年は団体戦、個人戦で世界一になるのが目標」と決意を新たにしている。

 前回大会は東京五輪が懸かる大一番だったものの、予選のあん馬で2度落下するミスがあり、7位と大きく出遅れた。怒濤(どとう)の追い上げで逆転優勝したが、今年は「まずは予選、決勝とミスなくしたい」と気を引き締めている。

 ミスのない演技とともに、新たな挑戦もする。ルールが改正されたこともあり、鉄棒には大技・リューキンを投入。あん馬も新技を予定しており「ここでしっかりやりたい。不安な箇所はあるが、自分の演技に自信を持ちたい」と実戦での感覚も試す。

 「『エースとして』ではないけど、この2日間は本当に大事にしたい」と橋本。「2日間、6種目ミスなく自分の演技をすることが今後につながってくる」と、最上級の演技を誓った。

 ◇橋本大輝(はしもと・だいき)2001年8月7日、千葉県成田市出身。2人の兄の後を追い、6歳の時、佐原ジュニア体操クラブで体操を始めた。市船橋高3年だった19年世界選手権で団体総合銅メダルに貢献。東京五輪の個人総合と種目別鉄棒で金メダルを獲得し、団体で銀メダルを獲得。同年の世界選手権では個人総合と種目別鉄棒で銀メダルを獲得した。デイリースポーツ制定「2021年度ホワイトベア・スポーツ賞」を受賞。166センチ、57キロ。

 ◆全日本個人総合選手権 第1回大会は1947年に行われ、今大会が76回目の開催となる。近年は男子は内村航平が2008年から10連覇し、女子は村上茉愛が16年からの3連覇を含む5度優勝を果たした。今大会は世界選手権、アジア大会(9月、中国・杭州)、世界ユニバーシティー大会(6~7月、中国・成都)の代表選考を兼ねて行われる。

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