張本、涙の復活V 強気発言封印“挑戦者魂”で長いトンネル抜けた!

 「卓球・ライオンカップ・トップ32」(6日、アリーナ立川立飛)

 第1回パリ五輪代表選考会として行われた。男子決勝は、東京五輪団体銅メダルの張本智和(18)=木下グループ=が、20年全日本王者の及川瑞基(木下グループ)を4-2で下して制覇。個人での優勝は昨年3月のWTTスターコンテンダー・ドーハ大会以来1年ぶりで、涙の復活となった。女子決勝は、早田ひな(21)=日本生命=が、19歳の長崎美柚(日本生命)を4-3で下して優勝。張本、早田はアジア大会(9月、中国・杭州)代表も決めた。

 長いトンネルを抜けたエースの目に涙が光った。張本は優勝を決めると、喜びのあまりユニホームの裾を頭にかぶった後、心からガッツポーズ。「苦しい1年だったが、やっとタイトルを獲ることができた。うれしさはないが、ただただホッとしている」。パリへのスタートダッシュを決め、人知れず抱えてきた葛藤をはき出した。

 かつての天才少年もどこか停滞ムードが漂っていた。初の五輪はシングルスで表彰台に届かず、11月の世界選手権は初戦敗退。1月の全日本選手権も16強で散り周囲を不安視させた一方、新王者の戸上隼輔(明大)がエース宣言をするなど心を揺さぶられた。

 「強気な発言をする選手もいて不安もあり、情けない気持ちが強かった」。ただ、そこで中学生時代の挑戦者精神に立ち返った。元々の持ち味だったバックハンドを主体としたプレーにも回帰。「懐かしい自分のプレーができた」とうなずいた。

 かつて「次は自分の時代」と無理にうそぶいた怖い物知らずの少年はもういない。「自分も(当時)強気にいろいろ言ったが、過ちは誰にでもある(笑)。それを早く経験したし、また勝ち続けることができれば進化できる。毎回、最新の大会で優勝した人が一番強いというシンプルなこと。(選考会で)ポイントを重ねることが今の目標」。誰がエースかなんて、言葉に出さなくたって結果で証明する。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス