卓球“ガチンコ過ぎる”選考会で波乱続出 石川、平野は世界代表落選 伊藤も8強敗退

 「卓球・ライオンカップ・トップ32」(5日、アリーナ立川立飛)

 第1回パリ五輪代表選考会として行われた中、東京五輪でメダルラッシュに沸いた日本卓球界だが、次に向けた代表レースは波乱の幕開けとなった。

 日本協会はパリ五輪に向けて、新しい国際ツアー大会のWTTがランク上位者のみの招待制となっているため、公平性を欠くとの観点から、国内選考会を重視する選考方針を採用。日本選手同士による一発勝負のサバイバル戦が志向されるが、第1回大会から“ガチンコ”の激しい争いが繰り広げられ、番狂わせも相次いだ。

 女子は準々決勝で、東京五輪混合ダブルス金メダルの伊藤美誠(21)=スターツ=が、長崎美柚(19)=日本生命=に2-4で敗れた。五輪団体銀メダルの石川佳純(29)=全農=は、20年全日本女王の早田ひな(日本生命)に3-4で惜敗。同じく五輪代表の平野美宇(21)=日本生命=も、17歳の木原美悠(エリートアカデミー)に敗れ、8強で姿を消した。

 今大会、世界選手権団体戦(9~10月、中国)の代表5枠を争う選考会も兼ねているが、女子は既に内定していた伊藤を除き、4強入りで世界切符をつかんだのは早田、初出場となる長崎、木原、佐藤瞳(ミキハウス)。従来は世界ランク上位で選出していたため常連だった石川は、2007年大会から続いていた連続出場が「14」でストップ。昨夏の五輪団体銀メダルに貢献した石川、平野という“飛車”と“角”を欠く布陣となった。

 また、男子も、既に世界代表に決まっている全日本王者の戸上隼輔(明大)が、2回戦敗退。さらに、20年全日本王者の宇田幸矢(明大)も2回戦で姿を消した。世界団体代表には、張本智和(木下グループ)、丹羽孝希(スヴェンソン)の五輪代表組に、初出場となる及川瑞基(木下グループ)、横谷晟(愛知工大)の4人が入った。

 24年1月の全日本選手権まで続く代表選考レースは始まったばかりだが、いきなり波乱含み。一発勝負が続くだけに、展開も今まで以上に読みづらい。

 日本男子のエース張本は、世界ランク上位者にとっては不遇ともいえる選考方式となっていると認めつつも、「(新方針は)それなりの理由もある。しっかり受け入れて、(国内)選考会で負けているようでは五輪でもきっと勝てない」と真っ正面から受け止めた。ツアーなどの国際大会で世界ランクも維持しつつ、国内選考会にも目を向けなければならないものの、「これまでよりハードなスケジュールになるが、選手である以上、引退するまでは環境に合わせて全力で取り組みたい」と力を込めた。

 ◆卓球のパリ五輪代表選考 日本卓球協会は、東京五輪まで採用していた世界ランクに準拠した選考方式を取りやめ、各大会ごとに独自に設定したポイントを採用。男女各上位2人を五輪シングルス代表に選出し、団体代表各1人は協会推薦で決める。ポイント対象期間は24年1月の全日本選手権までの2年間。対象大会は、世界選手権やアジア大会などの国際大会(現時点ではWTTツアー成績は含まず)、全日本選手権、計6回の五輪代表選考会、さらにTリーグの個人成績なども含まれる。

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