プロ転向発表後初戦の大橋悠依 重圧苦しみ涙の3位「負けたくない気持ちはある」

 「競泳・国際大会日本代表選手選考会」(3日、東京辰巳国際水泳場)

 女子400メートル個人メドレー決勝が行われ、競泳女子初のプロ転向発表後初戦となった大橋悠依(26)=イトマン東進=が4分41秒96で3位と伸びず、悔し涙を流した。東京五輪個人メドレー2冠の実績で世界選手権(ブダペスト、6月18~25日)には内定した。高校3年生、18歳の谷川亜華葉(イトマンSS)が1位となり代表入り。女子50メートル平泳ぎは連日の日本新で制した青木玲緒樹(ミズノ)が2種目目の内定。男子は100メートル背泳ぎで入江陵介(イトマン東進)が7大会連続、200メートル自由形で松元克央(セントラルスポーツ)が代表入りを決めた。

 大橋はぼう然と電光掲示板を見つめた。東京五輪で金メダル獲得後、同種目は初の出場。前半から先頭に後れを取り、後半で一気に突き放された。「自分自身に一番負けた。単純に自信がなくて、迷いがあった」と肩を落とした。2位から5秒以上離され、派遣標準4分40秒02にも届かない3位に終わった。

 レース後は「金」の重圧に苦しみながら大会に臨んだことを告白。「変なレースをしたらいろいろ言われてしまうのかなと考えた」と声を震わせた。

 共に練習をしていた16年リオ五輪同種目金メダルの萩野公介氏を見て、「もっと楽しめばいいのに」と思っていた。だが「同じ立場になってこんな気持ちなんだと思った」と、頂点に立つ者の怖さを痛感。感情が高まり思わず涙があふれた。

 優勝した谷川は18歳で2位の成田はまだ15歳。大橋は「どんどんいってほしい。潔く(同種目を)辞めることができる」と若手の台頭を歓迎。24年パリ五輪では「自分は200(メートル個人メドレー)に絞りたい」と、400メートルを断念し、2大会連続2冠を手放す可能性を示唆した。

 規定により世界選手権の代表入りは決定。大一番へ向け「負けたくない気持ちはある。(金メダリストの重圧と)戦い続けることになるが、攻略を見つけたい」と女王の意地で立て直す。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス