「大阪マラソン・びわ毎日マラソン統合大会」（２７日、大阪府庁前～大阪城公園）

　パリ五輪へ、男子マラソン界に新星誕生だ。星岳（２３）＝コニカミノルタ＝が初マラソンの日本最高記録となる２時間７分３１秒で初優勝を果たした。２４年パリ五輪の代表選考会として２３年秋に開催される「グランドチャンピオンシップ（ＭＧＣ）」の出場権を獲得。７月の世界選手権（米オレゴン州ユージン）の派遣設定記録の２時間７分５３秒も突破した。２位には山下一貴（２４）＝三菱重工＝で３位に浦野雄平（２４）＝富士通＝と、若手が上位を締めた。

　２度目のマラソンの山下は２位、初マラソンの浦野は３位と健闘した。星と３人で先頭集団を形成した３６キロ過ぎでは、疲労を感じた山下が浦野に「（先頭を）代わってくれ」と打診するなど、穏やかな雰囲気で走っていた。大学時代（山下は駒大、浦野は国学院大）から親交のある同い年のライバルはそろってＭＧＣ出場権を獲得したが、山下は「最後の詰めの甘さで負けた」と苦笑いだった。

　若手がけん引した大会に、日本陸連の瀬古利彦副会長（６５）も「ニューフェースが出てきて本当にうれしい。日本のレベルがあがってきている。この世代が次のパリ（五輪）に行く世代になる感じがします」と語った。優勝した星には「初マラソンで“引っかかる”というのもある。２回目、３回目でも走るのが本当の力だと思う」と今後の活躍に期待していた。