御嶽海 2場所連続2桁星、直近3場所30勝目 正代破って大関とり足固め
「大相撲初場所・11日目」(19日、両国国技館)
関脇御嶽海が大関正代を寄り切って10勝目を挙げ、1敗を守った。自身初の三役で2場所連続2桁勝利となり、まずは大関とりの足固めに成功した。正代は7敗目。横綱照ノ富士も千代翔馬を寄り切って1敗を堅持し、トップを並走。平幕阿炎は逸ノ城をはたき込み、ただ1人、2敗で追う展開となった。
ズルズルとはいかない。連勝街道を止められた完敗から一夜。御嶽海がしっかりと自分の相撲を取りきった。立ち合いから押し込んだところを、正代に組止められて右四つに。上手も許したが、それでもひるまない。もう一度、攻めて左上手を取ると、胸を合わせて寄り切った。
目標として口にし続けてきた2桁勝利に11日目で到達。「こんなに早くとは思ってなかった。いい感じですね」と笑みがこぼれた。意外にも三役で連続2桁星は自身初。「素直にうれしいっす。2場所連続はないんで。集中してやれている」と手応えをにじませた。
何度もはね返された大関へ再挑戦の権利をまずは得た。通常なら来場所が大関とりとなるが、残り4日次第では今場所後、一気に昇進への機運が高まる可能性もある。昇進の目安は三役で3場所計33勝。最近2場所は9勝、11勝で今場所、13勝なら数字上はクリアすることになる。
連敗を免れての2桁到達に、八角理事長(元横綱北勝海)は「大きいと思いますよ。それも大関に勝ってですからね」と評価。最終盤に予想される照ノ富士との対戦に向け「それまで全部、両方とも勝ってってくれればね、盛り上がるよね」と期待した。
御嶽海が今場所で勝った決まり手は、すべて押し出し(6勝)か寄り切り(4勝)。安定感と攻める姿勢が際立つ。大関とりには「そこはこだわってない」とあえて目を向けず「残り4日間、自分の引かない相撲を取れば、白星はついてくる」と、自らに言い聞かせるように話した。一日一番。その先に3度目の賜杯と大関の座も見えてくる。