日本相撲協会は２２日、幕内英乃海（３２）と、初場所（来年１月９日初日、両国国技館）が新十両場所だった芝改め紫雷（しでん、２９）＝ともに木瀬＝が違法賭博に関与の疑いがあると発表した。初場所は師匠・木瀬親方（元幕内肥後ノ海）の判断により謹慎休場となる。協会は調査を開始し、事実なら厳罰は避けられない。

　年の瀬の角界に衝撃が走った。翔猿（追手風）との兄弟幕内で人気の英乃海、新十両の紫雷が、何と違法賭博に手を染めていた疑いが浮上。来年初場所は謹慎休場となった。

　芝田山広報部長（元横綱大乃国）は「詳細については現在、調査中。どんな違法賭博かは分からない」と説明。今後、懲戒処分の可能性があり、師匠から２２日に休場の申し出が協会にあったという。

　関係者への聞き取り調査は今後、進められる。同部長は「この２人だけの調査なのか、それにまた含まれている者がいるのか。２人だけに限るのかもまだ分からない」と話し、違法賭博への関与者が２人にとどまらない可能性もある。

　２人はともに日大出身で紫雷は英乃海の付け人を務めていた。協会は研修会などを開き、違法行為を何度も戒めてきた。「行っちゃいけないというのは師匠もわれわれも十分に言っている。だけどそういうところに行っているとなれば手に負えない。こんなコロナの中でもみんな頑張ってやっているのに非常に残念であり遺憾」と同部長は厳しく断じた。

　５月には当時大関の朝乃山（高砂）がガイドライン違反のキャバクラ通いが発覚し、６場所出場停止を受けた。名古屋場所では当時十両の貴源治が大麻使用により懲戒解雇された。１年の最後に違法賭博の疑いと不祥事の連鎖が断てない。

　角界で賭博といえば２０１０年、野球賭博に関与した大関琴光喜や、大嶽親方（元関脇貴闘力）が解雇されている。関与が事実なら、厳罰は不可避だ。