宇良「15連敗しても胸張る」「しがみつく気持ちで」4年半ぶり上位総当たり戦へ意欲

 志摩ノ海と言葉を交わす宇良(左から2人目)=代表撮影
 申し合い稽古で若い衆を送り出す宇良(代表撮影)
 相手の寄りをこらえる宇良(左)=代表撮影
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 大相撲の人気業師、幕内宇良(29)=木瀬=が11日、来年初場所(1月9日初日、両国国技館)に向け、都内の部屋で相撲を取る稽古を行った。幕下相手に8番取って6勝2敗だった。

 先場所は10勝を挙げ、初の三賞となる技能賞を獲得。来場所は自己最高位の東前頭4枚目の更新も濃厚。2017年名古屋場所以来、4年半ぶりとなる上位総当たり戦へ向け、「(押す)力をもっと付けていかないと」と気を引き締めた。

 2度の右膝手術を乗り越え、復活の1年となった。夏場所で十両優勝を果たし、翌名古屋場所で21場所ぶり幕内に復帰した。今年の漢字1字を問われると「戻ってきたって感じですよね。『戻』る、ですかね」と応じた。

 来年は幕内上位での戦いに臨む。「来るところまできたので、ここからは停滞したり、落ちたり。上がるとこまで上がったら落ちますから。来年は辛抱して、上がるというよりしがみつく気持ちでやりたい。やはりあのへんでも戦えるんだという力をつけていかないと。今ではさすがにむらがありすぎるので」と意気込んだ。

 体重も増え、もう小兵ではない。ただ、まだ地力を付けたい。「気付いたら普通に大負けしていたりとか回りも盛り上がって三役とか言われちゃいますけど、自分自身で分析するに、そんな力はないですし、今は上位とは言わないでも幕内の中盤で安定しているな、という力は欲しいですね。そこの安定を目指したい」と目標にした。

 4年半ぶりに三役以上との総当たり。「どんと挑むしかないなという感じ。そこで通用する自信はまだないですね。本当に大負けする気持ちでいます。15連敗したところで、胸を張って、いやあ負けましたわと気持ちよく報告できるような人がずっと応援してくれている。自分はそれで十分なので。もちろん勝つつもりで全力を尽くす。そういう意味で思い切っていける場所じゃないかと思う」と、どん底を味わったからこそ怖いものはない。

 業師として最高の栄誉、技能賞が気持ち的にも大きい。「報われて良かった。価値のある三賞をもらったなと思う。夢でしたからね。自分が目標を持つとしたら横綱、大関というのは悲しいですけど、体的に見えない目標でもあるので。上を目指してやっていますけど。そこは技能賞に手が届くかで夢の部類に入る目標だったので。それはうれしい。積み重ねがあったので良かったのかな。最初のこの1個はうれしい。1個取ったことで気持ちも安心した」。来年も技で魅せていく。

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