あご骨折から復帰の明瀬山 北の湖親方の命日に3勝目 思い出の“まわしの切り方”極意
「大相撲九州場所・7日目」(20日、福岡国際センター)
あごの骨折で3場所休場し、今場所、西幕下45枚目で復帰した元幕内の明瀬山(36)=木瀬=が琴大龍を寄り切って3勝目(1敗)を挙げた。この日は2015年、62歳で亡くなった北の湖親方(元横綱)の命日。親方に教わった四つ相撲で勝ち越しに王手をかけた。
2010年、木瀬部屋が北の湖部屋に一時、合併されていた時、極意を授かった。ちゃんこの後、短パン姿の北の湖親方がまわしの切り方を実演。「どうやって切られたか分からなかった。短パンだから、まわしよりちゃんとつかんでいるはずなのに分からなかった。すごい、違うなあ、と感じた」と今も感触が残る。
24回優勝の大横綱で角界トップの理事長だった。「最初は怖かった」と言うが、とにかく優しかった。「光彦(明瀬山の本名)、ご飯何杯食うんだ?と聞かれて『3杯です』と言うと『オレは7杯食った』と。そういう話をしてくれた」と、懐かしい思い出だ。
その教えもあり、四つに磨きがかかり、36歳となった今も現役で相撲が取れる。「久々の場所なので。2週間、常に緊張して。まあぶっつけなので」と、まだまだ元気いっぱい、関取復帰へ向け全力を尽くしていく。