宇野昌磨“攻めの姿勢”でSP2位発進 演技構成点で唯一の9点台
「フィギュアスケート・スケートアメリカ」(22日、ラスベガス)
男子ショートプログラム(SP)は18年平昌五輪銀メダルの宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=が89・07点で2位発進した。冒頭の4回転フリップが2回転になるも、他の要素はミスなくまとめた。佐藤駿(17)=フジ・コーポレーション=は80・52点で5位。首位はビンセント・ゾウ(米国)で、世界選手権3連覇のネーサン・チェン(米国)は82・89点の4位と出遅れた。
冒頭の4回転フリップが2回転になり、演技後小さく首をかしげた宇野に対し、有観客の会場からは大きな拍手と歓声が送られた。「SPは8割くらいの確率でいい演技ができていた。試合で出せなかったという課題が見つかった」と振り返ったが、演技中、攻めの姿勢を崩さなかったことは大きな変化だ。
これまでは冒頭にミスが出ると、「失敗したくない」と続く4回転-3回転を4回転-2回転にし「終わった後にホッとするのがいつもの自分だった」と宇野は言う。「少なからず、今日までやってきた練習が試合に生きた」と胸を張った。
オーボエ協奏曲の重厚な音色に乗せた、滑りも光った。演技構成点では出場11人中唯一の9点台をマーク。表現面への高い評価も勝ち取った。
「もう一度世界トップで戦える存在になりたいと、今は心の中で強く灯がともっている」。4種類5本の4回転を組み込む「限界まで難しい構成」のフリーで、熱い思いを表現する。