成長曲線描くラグビー日本代表 担当記者が探るさらなる成長のために必要な事とは

 「ラグビー・テストマッチ、アイルランド39-31日本」(3日、ダブリン)

 日本は31-39でアイルランドに敗れた。再始動初戦でサンウルブズに勝利後、全英アイルランド代表ライオンズ戦に続き欧州遠征2連敗。だが、短期間で強豪相手に善戦するまでにチーム力を引き上げ、初めて8強入りした2019年W杯日本大会以来、1年8カ月の空白を経ても成長曲線を描き続けた。ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(51=HC)らの言葉から、23年フランス大会でさらに上を目指すために必要なことを、ラグビー担当の知手健人記者が探った。

 ◇  ◇

 ジャパンのラグビーにぶれはなかった。ライオンズ、アイルランドに2連敗したが、敵地で欧州の強豪を追い詰め、19年W杯での8強入りが勢いだけでなかったと示した。

 チームの半数以上が19年W杯組とは言え、本格始動は5月末。フランカーのリーチは「きょう(アイルランド戦)のパフォーマンスを出せたことは素晴らしい成果」と振り返った。短期間で強豪に対抗できる状態に仕上げたこと自体が、日本の基準が上がった証拠。ジョセフHCも欧州2連戦を「長い間試合ができなくても、強い相手に自分たちの試合ができた」。前回W杯までに積み上げたものは約2年間の空白を経ても維持され、引き続き成長曲線の延長上にあると確認できた。

 一方で「勝てた試合に負けた」(リーチ)のも事実。攻撃は1トライに終わったライオンズ戦から修正して4トライを奪った。だが守備は体格で劣る日本はミスから立て直せず、ジョセフHCは「課題としてやっていきたい」と話した。

 特にアイルランド戦は細かいミスから勝利を逃した。SH斎藤が「自分のダイレクトタッチで流れを持っていかれた」と振り返るように、後半24-19とリードした直後に相手背後へのキックミス。終盤は31-33と追い上げながら、自陣で反則を犯し、決定的なPG2本を献上した。

 W杯フランス大会は2年後。リーチは「ティア1のチームにどう勝つか」と話したが、スキルが生命線の日本にとって1プレーの重みをもう一度、認識しなければならない。

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