体操界に刻んだ6つの「シライ」も謙遜 「たまたま初めてやった技が6個あっただけ」

現役引退会見でさわやかな笑顔を見せる白井健三=神奈川・日体大 横浜・健志台キャンパス(撮影・開出牧)
2015年10月、体操の世界選手権男子種目別決勝の床運動で「シライ/ニュエン」を決める白井健三の連続合成写真(共同)
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 体操男子の16年リオデジャネイロ五輪団体金メダルメンバーで、種目別ゆかで3度世界王者に輝いた白井健三(24)=日体大教員=が16日、横浜市の日体大健志台キャンパスで記者会見を行い、現役引退を表明した。リオ五輪で日本男子史上最年少金メダルを獲得した“ひねり王子”が、団体メンバー5人の中で最も早く競技を退く決断を下した。

 圧倒的なひねり技を武器に、世界を席巻した。シライの名がつく技は床で3つ、跳馬で3つの計6つ。ただ、本人はこれまで名前がつくことについて、関心は示さず、「自分がやってきたことへのご褒美」と語ってきた。引退会見でも「まったく感情はない。学生に聞かれることはあるけど、今でも跳馬のシライ3が何だったかわからない」と笑った。

 自身が体操界に残した功績について、「あまり自分で自分を褒めたり、自分に満足したりするのが好きではないので、本当に体操界に残せた功績はいくらもなかったと思いますし、誰かが新しい技をやって、それを真似して体操界全体のレベルが上がっていくのは昔から積み上がってきた体操界の伝統。たまたま、世界で初めてやった技が僕に6個あっただけ。別に技に名前がつくから、すごい選手、偉い選手というわけではない」とキッパリと言い切った。

 ただ、それでもその躍動感ある演技と、屈託のない明るさは間違いなく、体操ニッポンの一時代を支えた。「選手としてできたことは小さいことではあったかもしれない、1人でも白井健三の演技をみて憧れてくれた人、元気だしてくれた人、真似したいと思ってくれた後輩がいればよかったなと思う」と語り、少しだけ未来に思いを馳せた。

 「将来、白井健三の教え子だからシライができるんだという教え子ができれば、また面白いかな」-。

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