桐生祥秀が予選フライング失格 前世界王者、日本ライバルらと走りの「テスト」できず…

 男子100メートル予選で失格となりトラックを後にする桐生祥秀(撮影・堀内翔)
 フライングして頭を抱える桐生祥秀
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 「陸上・READY STEADY TOKYO」(9日、国立競技場)

 男子100メートルに出場した前日本記録保持者の桐生祥秀(25)=日本生命=が予選でフライングで失格となる波乱が起こった。決勝では17年世界王者のジャスティン・ガトリン(39)=米国=が10秒24(無風)で優勝した。多田修平(24)=住友電工=が10秒26で2位、小池祐貴(25)=住友電工=は10秒28で3位。大会は無観客で開催された。

 飛び出した瞬間に頭を抱えた。男子100メートルの予選2組で登場した桐生。不正スタートがあったことを知らせる2度目のピストルが鳴ると、スピードを緩め、少し手を膝をやった後、スタートラインに戻った。ただ、突きつけられたのは、無情のレッドカード。スタートの反応タイムはマイナス0秒068。号砲が鳴る前に出てしまったことを示す、明らかなフライングだった。

 「自分のミス。やってはいけないこと。ガトリン選手らと走るチャンスがあったのに、走ることすらできなかった。自分を責めたい」

 すでに五輪参加標準記録を突破している桐生は、6月の日本選手権(大阪)で上位に入れば、五輪切符を獲得できる可能性は高い。ただ、前世界王者のガトリン(米国)や、国内のライバルである小池祐貴、ケンブリッジ飛鳥がそろった今大会は、文字通り本番への「テスト」を兼ねて、自分の立ち位置を確認できる場。それが走ることすらできない事態に…。「調子は上がっていたし、予選からタイムを狙いにいった。気持ちが高ぶりすぎた」と分析し、「本当は叫びたいぐらい悔しい」と唇をかみしめた。

 4月末の織田記念国際では10秒30に終わり、山県亮太、小池に敗れて3位。五輪まで残り2カ月半となる中、まだ存在感を示せていない。次戦は6月の布勢スプリント(鳥取)を予定。「今日は自分を責めて、なにか1つでもプラスになることを見つけて、次に進みたい」。次こそたまった鬱憤(うっぷん)を爆発させる。

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