萩野公介 復活の五輪代表 スランプ・休養乗り越えつかんだ夢切符

 「競泳・日本選手権」(8日、東京アクアティクスセンター)

 4種目で決勝が行われ、男子200メートル個人メドレーは19年世界選手権金メダリストで既に代表に内定している瀬戸大也(26)=TEAM DAIYA=が優勝。2位の萩野公介(26)=ブリヂストン=も派遣標準記録を突破し、個人種目で内定を得た。

 曇っていた萩野の目の前が快晴に変わった。リオ五輪終了後から、苦しんだ5年間。狙っていた五輪切符をつかみ取り、「この種目で決めることができてよかった。反省点はあるけど、次につながるいいレースだった」と満開の笑顔が咲いた。

 スタートで出遅れたが、背泳ぎで巻き返し接戦を展開。隣レーンのライバル・瀬戸大也には0秒02及ばなかったが「昨日『泥仕合になるね』と話していて、その通りになった。ちょっと燃えすぎた」。ともに自己ベストからは約2秒遅れたが「久しぶりに2人で泳ぐのも楽しかった」と笑顔で手を握り合った。

 暗いトンネルが長く続いた。19年2月のコナミオープンでリオ五輪金メダルの400メートル個人メドレーで自己ベストから17秒遅れ、中学時代よりも遅いタイムとなり決勝を棄権。同3月に不調により休養を発表した。約5カ月後に実戦復帰したが、その後も状態は上がりきらず。五輪切符が懸かる今大会へは400メートル個人メドレーの出場取りやめを決断し、200メートル個人メドレーに絞った。

 五輪連覇の道を自ら手放したが、後悔はない。「これが今の萩野公介だということで種目も選んでいる。背伸びしないでこれが自分の実力だと思っているので悔いはない」。平井コーチも「分岐点は今までたくさんあって、どれだけ交差点があったかよく分からない」と苦笑するほど遠回りしたが、自分が選んだ道を、自分の手で正解へと導いていく。

 大舞台では「メダルとか1位を目指すけど、それよりもまず自分という姿を出し切りたい」と萩野。ここからまた新たなストーリーを紡いでいく。

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