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橋本聖子会長 文春への抗議「報道の自由を制限するものではない」 業務妨害主張

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長が2日、都内で定例会見を行った。組織委は1日に前五輪開閉会式の演出責任者で、すでに辞任した演出・振付師のMIKIKO氏による開会式の演出案を報じた週刊文春に対して、厳重抗議と発売中止及び回収を要求。この日、同誌は組織委の要求を「不当な要求」とし、応じない声明を発表していた。

 橋本会長は「報道の自由を制限するものではない。組織委の秘密情報を拡散。業務妨害にあたると判断した」と強調。組織委の法務担当者も「著作権法第41条の報道利用は、適用されないと判断しての抗議」と、説明した。開会式演出については、組織委が電通に委託。契約上、知的財産権は組織委が有する。アイデアの段階では著作権はないが、文書化されたものは「著作権を有する」とし、特に画像が掲載されたことを問題視した。文春の反論について、橋本会長は「まだ文春からの書面が届いていない。届いた中で改めて組織委としての対応を考えたい」と、話すにとどめた。

 週刊文春はこの日、橋本会長の会見を前に反論声明を発表。「記事は、演出家のMIKIKO氏が開会式責任者から排除されていく過程で、葬り去られてしまった開会式案などを報じています。侮辱演出案や政治家の“口利き”など不適切な運営が行われ、巨額の税金が浪費された疑いがある開会式の内情を報じることには高い公共性、公益性があります。著作権法違反や業務妨害にあたるものでないことは明らかです。小誌に対して、極めて異例の『雑誌の発売中止、回収』を求める組織委員会の姿勢は、税金が投入されている公共性の高い組織のあり方として、異常なものと考えています。小誌はこうした不当な要求に応じることなく、今後も取材、報道を続けていきます」とした。

 同メディアは東京大会開閉会式の責任者だった演出・振付師のMIKIKO氏がIOCにプレゼンした280ページに及ぶ内部資料を入手し、一部を掲載。組織委は1日に厳重抗議したことを明らかにし「開会式の演出内容は開閉会式の制作に携わる限定された人員のみがこれにアクセスすることが認められた極めて機密性の高い組織委の秘密情報であり、世界中の多くの方に開会式の当日に楽しんでご覧頂くものです。事前に公表された場合、たとえそれが企画の検討段階のものであったとしても、開会式演出の価値は大きく毀損されます」とし、「組織委員会の秘密情報を意図的に拡散し、組織委員会の業務を妨害するものであり、株式会社文藝春秋に対しては、書面にて厳重に抗議を行うとともに善処を求めました」と、発表した。

 文春に対しては「この内部資料の一部の画像を本件記事に掲載して販売すること及びオンラインに掲載することは、著作権を侵害するものです。同社に対しては当該の掲載紙の回収、オンライン記事の全面削除、及び、資料を直ちに廃棄し、今後その内容を一切公表しないことを求めています」とし、その上で「営業秘密を不正に開示する者には、不正競争防止法違反の罪及び業務妨害罪が成立しうるものであり、組織委員会としては、今回の事態を重く受けとめ、所管の警察に相談しつつ、守秘義務違反を含め、徹底的な内部調査に着手しました。開閉会式の業務受託会社である株式会社電通に対しても、同様の徹底調査と報告を要請しました。さらに、制作チームの当時のクリエイティブディレクターなど、内容を知りうる全ての関係者には、あらためて守秘義務の遵守徹底を求めてまいります」とし、情報漏洩者に対しての法的措置も示唆していた。

 MIKIKO氏は昨年大会の延期が決定するまで五輪開閉会式の演出担当の責任者を務めた。延期に伴い、責任者は変更され、辞任。MIKIKO氏は先月、自身のSNSを更新し、延期から6カ月経った昨年10月まで連絡がなく、自身が電通に問い合わせた結果、すでに責任者に別の演出家が据えられていたことを明かしていた。簡素化に伴い、昨年末から総合統括を務めていた佐々木宏氏は文春報道で女性タレントを侮辱する演出案を報じられ、辞任している。組織委はこの日、総合統括について、後任は置かないことを発表した。

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