照ノ富士V3王手 角界のテルも大暴れ!得意朝乃山下し3敗単独トップ

 「大相撲春場所・14日目」(27日、両国国技館)

 関脇照ノ富士が大関復帰に花を添える優勝に王手をかけた。大関朝乃山を寄り切って再大関とり当確の三役3場所計35勝目。4連勝で3敗(11勝目)を死守し、ついに単独トップに立った。トップで並んでいた小結高安が2連敗で4敗に後退した。千秋楽に照ノ富士が大関貴景勝に勝てば4場所ぶり3度目V。負ければ4敗で並ぶ照ノ富士、貴景勝、高安-平幕碧山の勝者とのともえ戦となる。

 猛虎の輝も角界のテルも大暴れだ。照ノ富士が前日の正代に続き、大関を連破。終盤、怒とう4連勝でついに単独トップに立った。

 朝乃山のもろ手突きをはねのけ、右差しが早い。相手の投げも残して左上手を取れば盤石。右から起こして難なく寄り切った。

 対戦はこれで5戦全勝とどっちが大関か分からない。「落ち着けば大丈夫と思った。必死に前に出ることしか考えていなかった。どんな相手でも自信を持ってやらないと勝てない」と貫禄十分だ。

 大関奪還は確実だ。審判部の高田川副部長(元関脇安芸乃島)は「地力が上。強い」と絶賛。昇進に関し千秋楽、審判部で協議することを明言した。三役3場所計35勝で昇進を逃した例はない。特例規定(陥落翌場所10勝で大関復帰)によらない大関復帰は過去、1977年初場所後の魁傑のみ。44年ぶり2人目の偉業となる。

 場所前の2月11日、ドルジハンド夫人と結婚式を挙げた。初デートは隅田川を2人で歩いた。「たまに初めての頃を思い出すために行く」と言う場所に今は桜が咲きほこる。夫婦で歩んだ史上最大の復活ロードにV3で満開の花を添える。

 爆弾を抱える両膝で踏ん張り続け、あと一番。「人のことを気にする余裕はない。自分のことで精いっぱい」と最後の力を振り絞る。

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