川内優輝「努力が報われた」「妻の存在大きかった」109回目のマラソンで初の7分台

 「びわ湖毎日マラソン」(28日、大津市皇子山陸上競技場発着)

 現行のコースでは最後となる大会が行われ、通算109回目のマラソンとなった川内優輝(33)=あいおいニッセイ同和損保=が2時間7分27秒の自己ベストで10位に入った。これまでの自己記録は13年のソウル国際でマークした2時間8分14秒。

 川内は「10年前から思い続けていた目標の2時間7分台を出せて本当にうれしい。10年間の努力が報われた。信じて、あきらめずにやってきて良かった」と率直な喜びを口にした。

 5回目の挑戦だった今大会。スタート後から無理をせず、第2集団の前方に位置取り、最後まで自分のペースを守った。自己ベストが出た要因を問われ、3つ挙げた。

 一つはペースメーカーを務めた1月末の大阪国際女子マラソンをにらみ、練習では10年前ぐらいのように余裕を持って距離を積んできたこと。2つ目は、今大会に向けた最後の1カ月のトレーニングで実業団のコモディイイダの練習に加わり、大阪国際への土台があった上でスピードの刺激が入ったこと。3つ目が厚底シューズに変えたことと打ち明け、この2カ月ぐらいは厚底シューズを試していたという。

 川内は練習について「この2カ月ぐらい、完璧にはまっていた。『これだけ練習をやってきて、自己ベストが出なかったらどうすればいいんだ?』というぐらい、この1カ月は調子が良かった。やってきた自信が結果についてきた」と打ち明けた。

 私生活では一昨年に結婚。ランナーでもある侑子夫人(35)の存在についても問われ「支えてもらっている。私の場合、年齢を重ねて太りやすくなってきている部分がある。そこで体重を絞るときに、体力が落ちないようにしながら太らないようにメニューを考えてくれている。うまく体重調整できたことも大きい。妻や弟(鮮輝)が厚底を履いて調子を戻している。自分も『薄底で過去の自分を超えるとか、悠長なことは言ってられる場合じゃない』と思って。今までの次元では考えられないようなタイムを出しているのであれば、自分も対応していくしかないなと思って。そういう決断をするきっかけにもなった。妻の存在はびわ湖に向けて大きなものだった」と打ち明けた。

 レースは鈴木健吾(25)=富士通=が、大迫傑(ナイキ)の持つ2時間5分29秒の日本記録を大幅に更新する2時間4分56秒の日本新記録で初優勝を果たした。鈴木は02年の武井隆次以来、日本人19年ぶりの優勝だった。

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