東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は１２日、記者会見を行い、会長辞任を表明した森喜朗氏について、今後、組織委員会に何らかの役職で関わるかの質問に、「現時点では、そういうお話は出ておりません」と回答した。

　前日に、後任会長を受諾する意向を示した川淵三郎氏が、森氏に「相談役」として組織委に残ってもらうことを希望していた。川淵氏は１２日の懇談会で後任に就くことを固辞したが、こうした経緯を踏まえ、武藤事務総長は「それ（その報道）が出てきた理由があるのかもしれませんけども、現在、われわれはポストの問題を議論している状況ではありません」とした。

　また、武藤事務総長は森会長がオリンピック・パラリンピックの招致や準備で多大な貢献をしてきたことが客観的事実であることを強調し、ＩＯＣ内にも森氏に「ポストにつくという意味ではなくて」（武藤事務総長）関わりを持つことを希望する人物がいることを紹介。「そういういろんな議論がありますので、今後のことはそういうことを検討しながら適切な結論を得ていく必要があるということになるんでしょうけど」と話した。

　ただ、「何か、既定路線のようにこうなると、こういったことはまったく決まっておらないということでございます」と念押ししていた。