大坂なおみがツアー12勝の実力者を圧倒「いい大会にしたい」磨いたリターン能力発揮

 女子シングルス1回戦でプレーする大坂なおみ(AP=共同)
 パブリュチェンコワ(右)に勝利した大坂(共同)
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 「テニス・全豪オープン」(8日、メルボルン)

 開幕してシングルス1回戦が行われ、女子で2年ぶり2度目の優勝を狙う第3シードの大坂なおみ(23)=日清食品=が世界ランキング39位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(ロシア)を6-1、6-2で退け、6年連続で2回戦へ進んだ。2回戦では43位のカロリーヌ・ガルシア(フランス)と戦う。新型コロナウイルスの影響で開幕が1月から2月に延期された今大会は、観客を1日3万人に制限して開催される。優勝賞金は275万豪ドル(約2億2300万円)。

 勝利の瞬間、左手で小さくガッツポーズを作り、少し頬を緩ませた。前哨戦の準決勝を肩の違和感で棄権した影響など微塵も感じさせない。試合時間68分でツアー通算12勝を誇る実力者のパブリュチェンコワを圧倒。2年ぶりの頂点に向け、好スタートを切った大坂は「初戦で緊張したが、いいプレーができた」と声を弾ませた。

 強烈なサーブやフォアに注目が集まりがちだが、調子のバロメーターは深く鋭いリターンが決まるかどうかにある。

 国内初優勝を飾った2019年の東レ・パンパシフィック・オープン決勝でも対戦した強敵に対し、サービスゲームを五つもブレークする完勝。得意のハードコートで躍動し「リターンが良かった。オフに努力してきたことが徐々に良くなっている」と積み上げた自信を口にした。

 受け身のリターンで主導権を奪うためには高い集中力と反応の良さに加え、コンパクトに振り抜いて力を球に伝える技術が必要となる。第1セットではリターンの成功率で90%をマーク。57%の相手に差をつけ、ストローク戦を有利に進めた。

 ジュニア時代から支援するヨネックス社でラケットの調整担当者が「リターンで球を捉える能力が高い。芯を外す場面が少ない」と話すように、練習で磨きをかけてきた成果を見せつけた。

 開始時の気温は夏のメルボルンにしては16度と低かった。スパッツを着用して臨んだが、動きには切れがあった。サーブも丁寧に打ち分け、肩の不安も払しょくした。20年に続き、開幕日にセンターコートの第1試合で白星発進。「毎年感じることは変わるし、ゆっくり慣れていきたい」と落ち着いた口ぶりには女王の風格が漂う。

 「前哨戦から調子がいいし、いい大会にしたい」

 積み上げきた自信が、言葉の端々にあふれ出た。気負いなどない。見据える2年ぶりの頂点へ、大坂がこれ以上ない最高の一歩を踏み出した。

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