錦織、隔離生活を経て4カ月ぶりの復帰戦で手応え 積極果敢なテニスで世界4位に奮闘

 「男子テニス・ATPカップ」(3日、メルボルン)

 1次リーグD組の日本は初戦でロシアに敗れ、各組1位の準決勝進出を逃した。シングルスで2020年9月末の右肩故障から復帰戦となった世界ランキング41位の錦織圭(31)=日清食品=は、第2試合で同4位のダニル・メドベージェフに2-6、4-6でストレート負けした。第1試合は同57位の西岡良仁(25)=ミキハウス=が同8位のアンドレイ・ルブレフに1-6、3-6で完敗した。大会は12チームが参加し、4組に分かれて1次リーグを実施。日本は4日にアルゼンチンと当たる。

 やっと帰ってきたコートで確かな一歩を記した。右肩負傷が癒え、20年9月30日の全仏オープン2回戦以来、約4カ月ぶりとなった復帰戦。加えて新型コロナウイルス感染防止の隔離措置で2週間以上も屋外練習ができなかったが、「ベストを尽くしたい」と臨んだ一戦で錦織が現状での持てる力を出し切り、復活への方向性を示した。

 リスクを冒し、短いプレー時間でポイントを奪いにいく新スタイルの構築に向け、狙いは明確だった。第1セットは実戦を離れていた影響かショットが乱れる場面もあったが、第2セットはサービスゲームが安定した。

 サーブから3球目で素早く展開し、ネットに詰める攻撃を繰り返した。9度のサーブアンドボレーを含む24度のネットプレーを試み、成功率は約63%と精度を欠いたものの世界4位の難敵メドべージェフに対してミスを恐れずに仕掛けた。

 現地入り後、苦難の日々を過ごしてきた。米国からのチャーター便の同乗者がコロナ陽性反応を示したことで、ホテルの自室で隔離生活を余儀なくされた。部屋の壁に向かってボールを打つなどして出来る範囲でコンディションを調整。大会前の会見で「感覚は失っていない」と語っていたが、その言葉通りの奮闘ぶりだった。

 昨季は一度もなかった世界のトップ10との対戦で確かな手応えをつかんだ。ミルヌイ・コーチとオフに培ってきた積極果敢なテニスを揺らぐことなく貫き通す。

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