大栄翔初V「自分の相撲を取りきった」賜杯にビックリ「あんなに重いものだとは…」
「大相撲初場所・千秋楽」(24日、両国国技館)
12勝2敗の単独トップで千秋楽を迎えた西前頭筆頭の大栄翔(追手風)が隠岐の海(八角)をつきだしで下し13勝目。初優勝を飾った。
「うれしさしかないのでよかったです、本当に」と淡々した口調。初めて賜杯を手にした感想を「あんなに重いものだと思っていなかったのでびっくりしたんですけど、うれしいです」と笑いを誘った。
初優勝のプレッシャーのかかる中、大きな白星を飾った。立ち合いで頭から当たり、突き押し。そのまま一気に押し切った。「自分の相撲を取りきるしかない。悔いのないように思いっきりいきました。迷いなくいきました」と振り返った。
前半戦で三役7人を総ナメにするなど8連勝で中日に勝ち越しを決めた。「自信になる相撲がたくさんあった。これからもそういう相撲をとっていきたい」と言う。9日目、11日目に敗れたが12日目以降は白星を重ねた。11日目に大関正代(時津風)に並ばれたが常にトップをキープした。
優勝を意識したのは「14日目に勝った時に、あした最後1番という思いだったので優勝を意識しました」と話したが、「考えないようにしたんですけど0ではなくて。最後まで気を抜かないようにしました」と平常心を保つように心がけた場所だった。
これまで優勝力士を輩出していないのは12府県。そのうちの1つだった埼玉県に悲願の賜杯をもたらしたことに「非常にうれしいです」と明かす。
追手風部屋からの優勝も初めて。殊勲賞と技能賞のダブル受賞を果たした。次の目標を問われると「普段の稽古から、突き押しの相撲を取ろうという思いだったので、変わらない気持ちでいけたと思います。変わらずに自分のいい相撲を毎日取とれるように、これからも頑張っていきたいと思います」と誓う。激しい立ち合い、強烈な突き押し。自分の相撲を極めて、さらなる躍進を遂げる。