TL開幕延期 ラグビー界激震6チームで計62人コロナ…2月上旬から中旬開幕目指す

 日本ラグビー協会は14日、緊急記者会見を行い、1月16、17日に開幕を予定していたトップリーグ(TL)の延期を発表した。同日までに6チームで計62人の新型コロナ陽性者が判明したため決定。出席した岩渕健輔専務理事(45)は「濃厚接触の確定にも時間がかかっており、グレーな状態で試合を進めることは難しい」と説明。大会成立要件の75%以上の試合消化が不可能となったことから大会フォーマットの変更も決まり、開幕を2月上旬から中旬に設定して大会成立を目指す。

 コロナ禍により、またしてもラグビー界が激震に襲われた。16、17日から始まるはずだったTL開幕の延期が決定。岩渕専務理事は「3チームから新たな陽性者が出た。現状すでに2試合が中止で、濃厚接触者の確定にも時間がかかっており、グレーな状況のまま試合を進めることはできない」と苦渋の決断を説明した。

 12日までにトヨタ自動車13人、サントリー7人、キヤノン24人の陽性が確定し2試合の中止が決定していた。この日、新たにNEC3人、東芝5人、神戸製鋼10人の陽性を確認し、計62人となった。このため、さらなる試合中止が必要となり「現行のフォーマットではリーグ成立要件の75%(の試合消化)は難しい」とフォーマット変更も決定した。

 延期となった開幕の日程は対戦カード変更の検討も含め、「2月上旬から中旬を考えている」と岩渕専務理事。6月末に国際試合が予定されている日本代表活動も視野に、決勝の5月23日を後ろ倒しにはしないという。

 その場合、新たなフォーマットとして本来あった第2ステージを行わず、16チームが2組に分かれて争う1回戦総当たりの第1ステージの後、トップチャレンジリーグ(下部リーグ)の上位4チームを加えた計20チームによるトーナメントを行う方針だ。また、今後さらに開幕が遅れる場合も想定し、複数のフォーマットも用意している。

 開幕戦では東芝-NTTコミュニケーションズの試合が2006-07年シーズン以来14大会ぶりに東京・国立競技場で開催予定だった。すでに約2万枚のチケットが売れていたが、延期により国立での実施を断念。東京五輪組織委員会と連携して行う予定だった五輪へ向けたオペレーション確認も流れた。

 年明けからリーグ内で感染が増加したことに、太田治チェアマン(55)は「いずれもラグビー競技が濃厚接触にあたるという報告はない。チームと突っ込んだヒアリングをした上で対策したい」。今後は、より厳格なガイドラインを設定し感染拡大防止に努める。

 昨季は第6節でリーグ中止となった。「今季はいかなる状況でも成立をさせる」と岩渕専務理事。2季連続の不成立回避へ、強い姿勢を改めて示した。

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