白鵬コロナ感染、自身初の4場所連続休場 進退懸けた初場所出場は絶望…角界緊急事態

 「大相撲初場所」(10日初日、両国国技館)

 日本相撲協会は5日、横綱白鵬(35)=宮城野=が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。3日に嗅覚異常の症状があり、4日にPCR検査を受け、この日朝、陽性と分かった。三役以上で初の感染者。入院措置が取られ、進退の懸かる初場所の出場は絶望となった。接触した宮城野部屋の力士ら関係者はPCR検査を受けた。年末年始、荒汐部屋で12人の集団感染が起き、最強横綱までウイルスの猛威に襲われた。

 角界に衝撃が走った。史上最多44度の優勝を誇る“最強横綱”白鵬までが新型コロナに侵された。電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)によれば、3日に「においがしない」と異常を訴えたという。発熱など症状は出ていないが、即、入院措置が取られた。

 3場所連続休場中の白鵬は先場所後、横綱審議委員会から史上初の「注意」決議を受けた。進退を懸け初場所に臨むはずが最悪の事態。同部長は出場に関し「難しい。それはない」と話し、初場所は全休の見通しとなった。

 8月に手術した右膝の状態は順調だった。20年12月18日から合同稽古に参加し、綱とりの大関貴景勝(常盤山)、大関朝乃山(高砂)らと4日連続、約20番の猛烈稽古。圧倒的な強さを見せ。再起を予感させていた。

 消毒液を携帯するなど感染予防には気を使っていたが、まさかの感染。まずは回復に専念するが、息苦しさなど後遺症を残す可能性があるのが、このウイルスの怖さ。進退が厳しい中、自身初の4場所連続休場で気力が続くのかも懸念される。

 部屋のクラスターも危惧。白鵬は初場所へ向け、部屋で稽古を続けていた。同部屋には十両石浦、炎鵬ら力士16人が所属。5日に師匠、宮城野親方(元前頭竹葉山)を含め、接触した部屋関係者全員が検査を受けた。

 年末年始にかけ荒汐部屋で師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来)と幕内若隆景、十両若元春ら12人の集団感染が発生。同部屋力士10人の初場所出場は絶望だ。

 4日には湊部屋の幕内格行司、木村元基が感染。白鵬以外の宮城野部屋力士の出場に関しては不透明ながら、角界にコロナの脅威は広がり続けている。

 首都圏には7日にも緊急事態宣言発令が決まる。高まる危機感の中、協会は初場所を観客5300人規模で予定通り開催の意向。この日、各部屋に「ウイルスは人々の行動により感染します。初場所を無事に迎えるために行動を最小限に」と強いメッセージを通達した。

 協会執行部は連日の会議を開催。6日の午後5時をもって初場所入場券を「売り止め」とし、当日券も販売しないことを決定した。

 同宣言が出される前に先手の対策。同部長は「何かない限りは通常開催をしますよという意味もある」と強調した。政府の方針に注視しながら慎重に5日後の初日を目指す。

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