首位発進の羽生結弦、コロナ禍の世に届けた4年ぶりロック「皆さん辛い中…明るい曲を」

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、ビッグハット)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、今季初戦となった五輪2連覇王者の羽生結弦(26)=ANA=は、SP103・53点をマークし、首位発進を決めた。初優勝を狙う鍵山優真(17)が98・60点で2位、5連覇を狙う宇野昌磨(23)=トヨタ自動車=が94・22点で3位につけた。

 初披露となったSP「レット・ミー・エンターテイン・ユー」。黒のライダースジャケット風の上着に、エナメル質な黒のパンツスタイルで登場。英国のスター歌手ロビー・ウィリアムスのアップテンポなロックナンバーに合わせ、力強い演技を見せた。腕を組んだポーズから演技を開始。4回転サルコー、4回転トーループ-3回転トーループ、トリプルアクセルとすべてのジャンプをしっかりと着氷させると、観客をあおる場面も。320日ぶりの勝負の銀盤で、健在ぶりを示した。

 羽生にとって、は16-17年のSP「レッツ・ゴー・クレイジー」以来となるロックプログラム。演技後は選曲の理由を明かした。

 「(振付師の)ジェフリー・バトルさんが選曲してくれて、ピアノ曲探していたんですけど、世の中の状況をみている中でやっぱり明るい曲の方がと。皆さん辛い中でもこうやって自分の演技をみていただいているので。明るい曲にしました」。振付には羽生のアレンジが存分に加えられた。

 コロナ対策のため、観客に許されたのは拍手のみ。会場と一体になることができる曲だけに、「正直、歓声が聞こえないのは残念だった」と話したが、「テレビやネットでみてくださる方はきっと声をあげているんだろうなと感じていたので。そういったものを感じながら演技をしていました」と、全力で舞を世界に届けた。

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