内村航平が超絶スコア!「過去最高」超え15・700点 3年ぶり5度目種目別V

 「体操・全日本選手権」(13日、高崎アリーナ)

 男子決勝が行われ、東京五輪に向けて鉄棒専念を決めた五輪個人総合2連覇王者の内村航平(31)=リンガーハット=が予選の15・533点を上回る異次元ともいえる15・700点をマークし、2位に約1点差をつける圧勝で3年ぶり5度目の種目別優勝を飾った。

 コロナ禍に見舞われた2020年。見る者に21年は希望の光が差し込むと信じてほしいからこそ、華やかな締めくくりを演出した。

 演技を終えた内村は何度も何度も拳を握った。そして観客からの拍手に、“もっともっと”とあおり続けた。H難度ブレトシュナイダーを含め、離れ技は完遂。予選では止めきれなかった着地も、ピタリと決めた。得点は「過去最高、世界でも」と評した予選の15・533点を上回る15・700点。演技の出来栄えを示すEスコアは、鉄棒では驚異といえる9・1点だった。

 実は本人の理想には遠い演技だった。「着地以外は予選の方がよかった。かなり疲労があって、離れ技のキレもよくなかった」。久々の予選、決勝での演技に加え、準備時間の少ない最初の演技者。追い求めるしなやかさと美しさを欠き「成功させたい気持ちが強すぎて、剛の演技だった」と、総括した。

 それでも勝負の東京五輪シーズンに向け、確かな手応えはつかんだ。鉄棒のスペシャリストとして3戦を終え、「ようやく合わせられる能力が高まってきた」と、うなずいた。

 11月の国際大会の閉会式。東京五輪開催に消極的な世論に向け、一人のアスリートとして訴えた。「どうかできないと思わないでもらいたい」と-。「自分に世の中を変える力はない」ことは分かっている。ただ、自分の演技は「誰かのほんの少しの支えになれる」ことは信じている。「誰が見てもいい演技をみせないと、どんな発信をしても届かない。自分のやるべきことをやる」。いまだ霧晴れぬ夢舞台への希望の架け橋となるべく、その舞を研ぎ澄ませる。

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