村上茉愛「どんな時でも試合ができる練習はしてきた」2年ぶり全日本Vで自信
「体操・全日本選手権」(12日、高崎アリーナ)
女子決勝が行われ、予選1位の村上茉愛(24)=日体ク=が予選も含めた合計点112・097点で2年ぶり4度目の個人総合優勝を、種目別の段違い平行棒との2冠で飾った。負傷で苦しんだ昨年からの巻き返しとなるはずだった今年。コロナ禍によるイレギュラーなシーズンになったことも含めて、場内インタビューで語った。
跳馬では新技「チュソビチナ」を成功させ、段違い平行棒では種目別制覇。「昨日の予選で失敗してしまったのが一番の悔いですけど。今回、採り入れる跳馬の『チュソビチナ』と強化をしている段違い平行棒などで課題としている14点台に乗せることなど、達成できたことも今回の試合でいっぱいあるので、久々の試合でここまでできた自分を今日は褒めたいなと思います」と、手応えのある大会となったようだった。
「チュソビチナ」は予選では乱れたが、この経験を生かした。「予選で1本飛んで、緊張の中で飛んで、着地は乱れてしまったんですけど一度そういう経験はしているので、今日は緊張はさほどせず、練習してきたことが、集中する1本で出せたので、すごくよかったと思います」と振り返った。
コロナ禍で通常とは異なるスケジュールでの全日本選手権となった。「いつも3月、4月とこの試合をやっているんですけど、この時期(12月)にやることだったり、1年すごく長かったですけど、そういう場合でもしっかり調整して、どんな時でも試合ができる練習はしてきたので、こういう想像もしないことが起きても、できるっていう自信にもなったので、すごくいい試合だったし、試合ができたことがすごくうれしいなと思います」と、大会があること、演技をできることそのものを喜んだ。
昨年の雪辱を果たすべき大会そのものが少なく、「何とも言えないですけど」としつつ、その分「でも、1回1回の試合をすごく大切にしたいなというのは去年思ったので、それができてよかったなと思います」と語った。
東京五輪が控える来年へは、「本当にこの先どうなるか分からないのは自分だけじゃないし、みんなそう思っているので、今日女子で試合をしてきた人たちと、声を出しながらすごく楽しく試合ができたので、一個一個の目の前の目標だったり試合をしっかりとこなして、まず代表に入らないと自分のメダルをとるという目標が達成できないので、しっかり調整して来年に向けて頑張りたいと思います」と足元を見据えた。