貴景勝、突き押し一本で綱とりへ 幼少期から磨いた武器で定説覆す「やりがい感じる」

 大相撲11月場所で2年ぶり2度目の優勝を果たした大関貴景勝(24)=常盤山=が1日、都内の部屋で稽古を再開し、四股、すり足など基礎運動で汗を流した。稽古後に電話取材に応じ、初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)で挑む初の綱とりには自然体を強調。所属部屋も千賀ノ浦から常盤山に変更され、新たな決意を胸に、前代未聞となる突き押し一本の横綱を目指す。

 いざ、綱とりへ貴景勝が始動した。じっくり基礎運動で心身ともスイッチは入った。「やっぱり成績を残さなきゃ上に上がれない。とにかく一生懸命頑張る。あまり深く考えず伸び伸びやれたら」と自然体で意気込んだ。

 身長175センチと決して大きくはない体。幼少期から突き押し一本を磨いてきた。「自分はもう押し相撲しかない。小さい頃から目指してきたもので頂点に、横綱になりたい」と、極めてきた武器で頂点への挑戦権を得た。

 プロ288勝のうち、寄り切りが4回、寄り倒しが1回。ここまで極端な押し相撲で横綱となれば前代未聞だ。強烈な突き押しで優勝11度を誇る元横綱の曙でも生涯、勝った取組での決まり手は押し出し156回、寄り切り154回とまわしを取っても強かった。

 押し一本で横綱は厳しいという“定説”に貴景勝は真っ向から反論する。「押し相撲だけじゃ横綱になれないって自分で勝手に決めつけている。自分でその可能性を止めてしまったら一生そこで終わり。無理って言われているからやりがいを感じている部分もある」と自身が新たな歴史を切り開く決意だ。

 先場所後に千賀ノ浦部屋から常盤山部屋に名称が変更。「(有終Vは)結果的にそうなった。新しい名前の部屋でもいい成績を残したいと」と、新たな気持ちで新年に臨む。

 先場所後1週間はつかの間の休息。風呂にゆっくり漬かり、焼き肉を食べた。「熱い風呂に入って、冬なんで、出た瞬間の温度差が気持ち良かった」と、心身ともリセットした。

 先場所前は合同稽古で大関正代(時津風)と連日、番数を重ねて調整した。今回も18日から始まる合同稽古に参加する意向だ。「合同稽古が始まるまでに(体を)膨らませて。また終わったら集中して実戦やって」。勝負の初場所へ年末年始は関係なく追い込んでいく。

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