高橋大輔、観客魅了アイスダンスデビュー「すごく上出来」 村元とRD2位発進

 「フィギュアスケート・NHK杯」(27日、東和薬品ラクタブドーム)

 今季、男子からアイスダンスに転向した2010年バンクーバー五輪銅メダリスト、高橋大輔(34)が、パートナーの村元哉中(27)=関大KFSC=とのカップルで競技会にデビューした。リズムダンス(RD)で64・15点を出し、3組中2位でスタートした。首位は、全日本選手権を連覇している小松原美里(倉敷FSC)、コレト・ティム組で70・76点。28日はフリーダンス(FD)が行われる。

 映画「マスク」のジム・キャリーを模した、鮮やかな黄色の衣装が“ルーキー”の気持ちを後押しした。演技を終えると、安堵(あんど)と達成感が入り交じった表情で村元と顔を見合わせた。大きなミスがなかった内容に、高橋は「初めてと考えるとすごく上出来…だったと思いたいです」と笑顔で自己評価した。

 演技直後は「リフトの足を持ち損ねてゴメン」と村元に思わず謝ったという。レベルの取りこぼしはあったが、出来栄えを表すGOEはすべて加点がついた。平昌五輪などで世界と戦ってきた村元は、高橋の採点を聞かれて「100点でいきます!」と即答。「アイスダンスとシングルはまったく違う競技。半年くらいしかたってないけど、落ち着いて最後まで大きなミスなく滑れた」と満点をつけた。

 コロナ禍の影響もあり、練習環境も限られた。このプログラムができあがったのは2カ月前。また、演技後半になるにつれてシングルとの違いも痛感した。「体力的に疲れ方がまったく違う。(シングルは)疲労の中で(ジャンプを)跳ぶのが難しいけど、(アイスダンスは)自分自身のタイミングじゃなく、疲れた中で2人合わせるのが難しいところ」。ただ、課題を確認することこそが22年北京五輪への第一歩。今大会の目的でもあった。

 黄色いパンツのお尻は一回り大きくなっている。村元を抱え上げて回転するローテーショナルリフトは、女性の重みが加わった強い遠心力が下半身にかかり、シングルとはまったく違う体幹と筋力が必要となる。これまで飲まなかったプロテインや補食を含めた一日4度の食事など、34歳の肉体は進化を続けている。

 バンクーバー五輪で銅メダル。世界選手権優勝と、日本男子初の快挙を成し遂げてきた第一人者は、新境地での戦いを「滑るというのが一緒なだけ」と言う。過去の実績に頼るつもりはない。それ以上に「知らない世界が開けて、わからないこと、できないものをどう乗り越えていくか。目標がどんどん出てくる」と、わき上がるモチベーションが抑えきれない。

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