伊藤美誠が4強 8カ月ぶり国際大会でも貫禄「楽しむのが一番」
「卓球・女子W杯」(9日、威海)
準々決勝が行われ、世界ランク2位で東京五輪代表の伊藤美誠(20)=スターツ=は、同27位の陳思羽(台湾)を4-1で下し、4強入りを決めた。3月のカタール・オープン以来、国際大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中断していたが、これが8カ月ぶりの再開初戦。1回戦は同16位の田志希(韓国)に4-1で勝利した。
来夏の五輪に向けて、幸先のいい再スタートを飾った。自身246日ぶりの実戦に臨んだ伊藤は、多彩なサーブや要所でのスマッシュを効果的に決め、状況に応じてラリーでも応戦。ブランクを感じさせないプレーで世界ランク2位の貫禄を見せつけた。
ミスをしても笑顔で切り替える姿が散見されるが、試合後のインタビューでは「試合の時は楽しんでやることを一番に考えている。自分にいらつかないように。練習をやり込んで来ているので、試合では楽しもうと思っている」と振り返った。
10日の準決勝では、石川佳純(全農)と世界ランク3位の孫穎莎(中国)の試合の勝者と対戦する。「どちらが上がってきても自分らしく楽しむことを一番に試合をしたい」と話した。
国際卓球連盟(ITTF)主催の国際大会は8カ月ぶりだが、開催地である中国政府の方針もあって、日本などの海外選手は渡航後10日ほどのホテルでの完全隔離や、専用バスによる10時間以上の移動、省をまたぐ際の検査など厳しい条件が課された。
伊藤は大会の約3週間前に日本を出発。獲得ポイントが五輪のシード争いにも直結するだけに出場を決意したが、航空チケットの手配にも手こずるなど大会情報が直前まで二転三転していただけに、出発前には「命がけで行くみたいなもの」と覚悟を明かしていた。