正代ヒヤヒヤ大関1勝 重責、5千人観衆…ガッチガチ「硬いですね」

 初日の取組で若隆景(手前)を突き落としで下す正代=8日
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 「大相撲11月場所・初日」(8日、両国国技館)

 新大関正代(29)=時津風=が平幕若隆景(荒汐)に押し込まれながら土俵際、逆転の突き落としでヒヤヒヤの大関デビュー星をものにした。物言いがつく際どい勝負も軍配通りの裁定に安ど。コロナ禍の中、観客数の上限が5000人と倍増した一年納めの場所が熱気ムンムンに幕を開けた。

 新大関としての初白星は薄氷を踏みながらつかみ取った。正代は立ち合いで若隆景に中に入られてしまい、気づけば土俵際。捨て身の突き落としを放つと、直後に尻もちをつき土俵下にもんどり打って転落した。

 軍配は自身に上がったものの「手応えはなかった」。それでも物言いのつく際どい勝負をものにし、「硬いですね。初日というのもあったし、新大関として一番目の相撲だったので、いろいろ重なって体が動かなかった」と冷や汗をぬぐった。

 注目の初日とあって浮き足立たずにはいられなかった。「大関正代」の場内アナウンスは「まだ聞き慣れない」と照れ笑い。国技館を見上げれば、先場所の優勝額も目に入る。「塩を取りに行くときにちらっと見たりした。ちょっと意識する」。新型コロナウイルスの影響で制限していた観客上限も秋場所の2倍の5000人となり、見られる喜びと重圧を感じながらも「とりあえず勝つことはできた。体が動くようになれば内容も良くなる」と尻上がりを期した。

 重責を背負っても先場所までと変わらず国技館には徒歩で入る。注目度が増そうがリラックス法も揺るがない。空いた時間に好きな動画を鑑賞するのが日課だが、定額サイトNetflixでは好きなアクション系を見尽くしてしまい、最近はYouTubeで気になったものを片っ端からチェック。根っからのインドア派は、コロナ禍による外出制限も「ストレスを感じない」と頼もしい。

 取り組み後のリモート取材では質問が殺到したが、異色の“控えめ大関”は「そろそろ…。大関が待っているので」と次に待機していた貴景勝に譲ると、やはりそのまま歩いて国技館を後にした。

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