本田真凜、即興演技で7位!姉妹揃って東日本進出 提出曲間違え「ほとんどアドリブ」

 「フィギュアスケート・東京選手権」(10日、ダイドードリンコアイスアリーナ)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)9位と出遅れた本田真凜(19)=JAL=は、フリーで提出する曲を間違えるというミスを犯しながらも即興で演技をまとめ、フリー93・66点、合計点140・95点の7位に入り、上位18人が進む11月の東日本選手権(甲府)を決めた。女優で今季シニア初参戦の妹・望結(16)=プリンスホテル=もフリー79・40点、合計点123・31点の12位で通過し、姉妹での全日本選手権(12月・長野)出場に望みを繋いだ。

 天性の“華”がドラマを生んでしまうのだろうか。順当なら通過は確実なブロック大会で、ドタバタの真凜劇場が繰り広げられた。

 2週間前に負った右肩脱臼の不安を抱えて挑んだフリー。音楽は昨季に続いて映画「ラ・ラ・ランド」の予定だったが、鳴り始めたのは違う曲だった。「他の人の曲かな」。ポーズを解いて、審判席に近づいたが、そこで気付いた。「私のエキシビやん!」。CDに「フリー」と書いてしまっていたため、間違って提出していたのだった。演技は一時中断で、すぐに本田武史コーチと妹の望結が更衣室へダッシュしたが、リミットは迫る。「“1分たったら失格”と言われて…」。そこで腹をくくった。

 「やるしかない」。

 曲はエキシビション用にステファン・ランビエル氏に振り付けしてもらったレディー・ガガの「アイル・ネバー・ラブ・アゲイン」。ただ、「3月から滑ってなくて、まったく覚えていなかった」という。ジャンプもスピンも即興でフリー用の構成にし、うろ覚えだった振り付けもランビエル氏の動きを思い出しながら、「ほとんどアドリブだった」と、頭をフル回転させた。それでも、ジャンプは跳びすぎもあったもののしっかり着氷し、演技をまとめきったのは、まさに天賦の才だった。

 ジャッジに時間がかかり、「失格も覚悟した」と最悪の事態も頭をよぎったが、祈りが通じ、妹の望結とともに東日本への進出が決定。自業自得とはいえ、前代未聞かつ一世一代の演技を終え、「こんなことある!?まだ胸がドキドキしてる」と、天真爛漫(らんまん)な笑顔で劇場を締めくくった。

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