世界陸連 急転トラックでの厚底使用を即時禁止に ランナー混乱「後出しじゃんけん」

 世界陸連(WA)は10日、先月28日に発表したトラック競技におけるシューズの新規制について、同日よりすでに適用されていることを発表した。当初は12月1日から適用とされていた。これにより、現在、長距離界を席巻しているナイキのヴェイパーフライ、アルファフライを初めとした厚底シューズはトラックでの使用は禁止となり、違反した場合の記録は認定されないこととなった。

 世界陸連は7月28日に延期となった東京五輪に向けたシューズに関する規定の改定を発表。新規定では各種目における使用可能なシューズのソールの厚さの数値が決められ、フィールド競技では20ミリ(三段跳びのみ25ミリ)まで、トラック種目では400メートルまでは20ミリ、800メートル以上、クロスカントリーでは25ミリまでに定められた。現在、長距離界を席巻するナイキの厚底シューズは、ヴェイパーフライが36ミリ、最新のアルファフライが39・5ミリとされており、規制対象となった。

 すでに欧州では、7月28日以降にトラックレースで厚底シューズを使用した選手で失格者も出ている。8月7日にトラックで1時間走に挑戦したソンドレ・モーエン(ノルウェー)は欧州記録をマークしたが、認定されず、現地紙「Fedrelandsvennen」に「走ったことを後悔している」と、失望のコメントを発表した。

 日本選手も7月の記録会などでは厚底シューズを使用する選手も多く、影響は大きいと見られる。12月までに自己記録を狙っていたランナーも多いを見られ、「後出しジャンケン」、「せっかく買ったのに履く機会が・・・」と、混乱を呼んでいる。

 シューズについては、マラソン、競歩などのロード種目については、40ミリまでで維持されている。WAはナイキの厚底靴に代表されるシューズテクノロジーの競争に歯止めを掛けるため、今年1月にマラソンなどロードレースのシューズに関するシューズの新規則を発表。ソールの厚さは40ミリ以下、複数の剛性の埋め込みプレートは使用できないなどのルールを定めている。

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