阿武咲、24歳誕生日「いつまでも若くない」「危機感を持たないと」

24歳誕生日を迎えた阿武咲
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 「大相撲7月場所」(7月19日初日、両国国技館)

 幕内阿武咲(阿武松)が4日、24歳の誕生日を迎え、電話での代表取材に応じ、心境を語った。「早いなという感じがする。16、17歳で入って、これからの相撲人生は長いなと思っていたが、一瞬で24になっていつまでも若くないと思った。23と24では(年齢の)重みが違う。危機感を持たないと」と気を引き締めた。

 LINEで多くの祝福メッセージやプレゼントも届いた。部屋の力士からはケーキを贈られた。

 夏場所が中止となり、通常なら名古屋で迎える誕生日を東京で過ごす。「変な感じではあるが、逆に言えばしっかり体を休められるし、考えられる時間になった。ストレスにはならなかった」と話した。

 23歳の1年を振り返り、「苦しかった。けがをしてからなかなか勝てないし、思うような相撲を取れなかった。それが23歳の終わりがけで少しずつ形になってきた。悔しい部分もあったが、プラスになっている部分もあると感じられた」と、前を向いた。

 今年の初場所、引退した大関豪栄道(現武隈親方)の最後の相手を務め、下手投げで破った。「大関にも勝たせていただいたし、気持ちと体の連動でつかめるものがあった。それから先場所の横綱(白鵬)戦も大きかった。あの一番で吹っ切れた部分があった。けがしてから正直(気持ちが)落ちていた部分があったが、やっと形になった。気持ちの部分でも一番大きかった」と先場所、優勝した白鵬に土を付けた金星が自信になった。

 初場所後、押尾川親方(元関脇豪風)の断髪式で、荒磯親方(元横綱稀勢の里)にアドバイスをもらった。「相撲の技術、気持ちの臨み方の面で自分がいま思っていることを確認させていただいたという感じ。他にもたくさんの方にアドバイスを頂いてそういうのがあっての自分なので。たくさんの方の支えも大きいと思う」。

 昨年は師匠が交代。番付上位の力士の変動が激しい1年でもあった。「正直周りを気にしている場合ではない。自分と向き合っている状況。師匠が代わったこともあるが、やること自体は変わっていない。自分と向き合ってやっていくことが仕事。その辺はしっかり向き合ってこられた思う」と胸を張った。

 無観客の先場所、手応えがあった。「慣れない場所ではあったが、無観客で不思議な感じはあった。地に足がついている感じもあって1月と同じ気持ちでいけた」と言う。

 西前頭2枚目まで番付を戻し、返り三役が視界に入ってきた。「細かいことは考えず、自分と向き合ってやるべきことをやれればいい。考えるだけで勝てるなら誰でも上に上がれると思う」と、冷静に語った。

 7月場所へ向け、1週間程前から相撲を取る稽古を再開。番数も重ねてきた。「日を追うごとに調子はよくなっていて動きもよくなっている。きょうは四股、すり足をやった後に幕下と30番ぐらい取ってぶつかり。あとは庭ですり足、腕立て伏せもやった。もともと日々30番以上やっていたので、それくらいにまで戻った感じ。今のところ順調にこられているし、感覚はものすごくよくなっている。(最初は)何カ月も相撲を取らないことがなかったので感覚が悪くなっている部分もあったが、『きょうは左からの攻めを意識しよう』『きょうは当たって起こして下から入る』とかその日ごとにテーマを決めてやってきた」と充実感があふれる。

 長いブランクがあった中で自重トレーニングを行い、体のバランス、軸を意識した。「相撲は一瞬で勝負が決まってしまうが、爆発力を鍛えるためにウエートトレーニングにだけ頼ってしまうと、(体の)軸が安定せず、その効果が(十分に)出ないと思う。自分の力を100%出せるようにするための体づくりをやっていました。あとは不摂生をせず、食事面に気をつけたりしていた。相撲は1年間オフがない状況でやっているが、どんな状況でもプラスに持っていかないといけない。試練に向き合っていかないといけない」。

 7月場所に向けて心身とも順調。「いつまでも自分はチャレンジャー。やることは変わらない。一番一番真剣に勝ちにいく。自分の相撲を取ってひたむきにやっていきたい。一番一番一生懸命やるだけ。自分の持ち味は元気のある相撲。そういうところを見ていただきたい」と気合十分に話した。

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