柔道・大野将平、高校時代に最強の片りん 野村忠宏氏「真剣に投げられた。恐怖感じた」

 来夏の東京五輪で2連覇を目指す柔道男子73キロ級の大野将平(28)=旭化成=が31日、オンラインでのトークセッションに参加し、練習拠点である天理大出身の五輪3連覇・野村忠宏氏(45)、シドニー五輪銀メダリストの篠原信一氏(47)との鼎談(ていだん)を行った。

 2013年に初めて世界王者、16年リオデジャネイロ五輪で金メダリストに登りつめた大野だが、その“前夜”である高校時代に強さの片りんを見せていたという。

 大野は世田谷学園高から2010年に天理大に進学。その前年、高校時代に天理大の練習に参加した際、当時監督だった篠原氏は、同大に興味を持ってもらうために当時現役だった野村氏を乱取りの相手につけたが、最軽量級の野村氏とは2階級差があるとはいえ、五輪3連覇王者を投げ飛ばしたという。

 野村氏は「自分も30代中頃で現役で、高校生やし適当にやったろと思ったら真剣に投げられましたからね」と振り返り、「高校生に恐怖を感じましたね。その話をこいつ(大野)にしたら覚えてないって言うし」と笑いながら述懐。篠原氏も「戦う気持ちの強さがすごい」と舌を巻き、野村氏は「大外刈り、内股、担ぎ、圧力、別格でした。高校の時から」と脱帽した。

 東京の世田谷学園高から奈良の天理大への進学は珍しかったが、大野は当時を振り返った。「高校3年の時に試合で納得のいかないような判定でチームが負けた。その時に、恩師の持田監督に『シドニー五輪の時の篠原先生はどういう気持ちだったんですかね』って話をしたら、次の日に篠原先生が来てくださった。世紀の大誤審のありがたい話をしてくださるのかと思ったら、『お前強いらしいな。握手しよう』と。ありがとうございますって握手したら、『お前握手したな、天理決定や』と。スカウトに来られただけだったんだな」と、篠原氏の珍エピソードを披露した。

 五輪2連覇に向けてまい進していたが、新型コロナウイルスの影響で東京五輪は来夏へと延期。大野は今月15日に五輪代表に正式に決定したものの、2カ月近く練習はできていない状況だ。

 それでも、大野自身は大学院での研究活動やけがで長期的に休養した経験もあり、「柔道を忘れることはない。急激に弱くなることはなかったので、取り戻せる自信はある」と力強く宣言。6月1日からは畳の上で1人での練習は再開されるだけに「国民の皆さまに元気を届けられるように準備しておきます」と来夏に向けて気持ちを新たにした。

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