ソフトボール・上野由岐子「無駄な時間にしない」五輪1年延期…“運命”を受け止める

 ソフトボールが3大会ぶりに実施競技として復活する東京五輪が新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期したことを受け、2008年北京五輪女子ソフトボール金メダリストの上野由岐子(37)=ビックカメラ高崎=が電話インタビューに応じ、現在の心境や活動状況を語った。ソフトボールは開幕前の7月22日、上野の38歳の誕生日に全競技の先陣を切って始まる予定だった。未曽有の事態を受け入れ、大舞台へと再スタートを切っている。

 ◇  ◇

 -38歳の誕生日に幕を開けるはずだった東京五輪が延期となった。

 「五輪を照準に今年はオフからギアを上げていた。残念というか、足をすくわれたという感じというか…。『もう1年、頑張らないといけないのか』という気持ちには正直、なりました」

 -1月に故郷の福岡で千賀(ソフトバンク)、菅野(巨人)らと自主トレーニングを行うなど調整を進めていた中で新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大していった。

 「仕方がないという気持ちが一番ですかね。世の中の流れに乗っかっていくというか…。自分で何かを決断できるわけではないので」

 -気持ちの切り替えは?

 「4月の1カ月間は、のんびりというか、モチベーションもしっかり下げて、休みを多く入れながらリフレッシュして切り替えた。(休日は)ずっと家にいた。最初は休む時間を楽しみながらやっていたけど、やることもだんだんなくなってきて…」

 -この事態をどう受け止めているか。

 「世界的にみんなが我慢をしていかないといけない状況だと思う。受け入れるというか、受け止めてというか…。練習一つにしても、同じ環境で、同じ状況の中で、他の選手よりもより多く何を重ねていくかということを大事にしながら取り組まないと。無駄な時間にしてはいけない」

 -練習の状況は。

 「室内でトレーニングする時は密にならないように少しグループ分けして取り組むけど、基本はグラウンドで練習している。最近は少し天気が悪いけど、それまでは天気もよかった。安全というか、不安なくやれていたかなとは思う」

 -当面は9月に開幕予定のリーグ戦を目標として練習を続ける。

 「試合がないと(課題や収穫など)感じることが少なくなってくる。あくまでもイメージの中でしか練習も積み重ねていけない。でも、いざ始まった時に準備不足でけがをしましたとならないようにやるしかない」

 -さらなる進化へ、取り組んでいることは。

 「ソフトボールの技術面では新しい変化球に挑戦したり、今まで投げてきた変化球をさらにバージョンアップさせたりするというか、レベルアップさせていく感じ」

 -グラウンド外では。

 「休みの日でも極力、家にいないといけないといけないので、インターネットを使って教室に参加してみたりだとか、トレーニングを調べてやってみたりとか。そんな、普段だったらしないようなことをやれている」

 -オンラインでヨガ講座も受講している。

 「先生に言われる通りに動いている。ストレッチみたいな感じで、呼吸とか(を意識する)。思ったより体が硬かったなと思うところあったり、やっているうちに前回より柔らかくなってきたなと思ったりする」

 -競技にも生きる。

 「自分の体を把握するためにはためになっていると思う。トレーニングは自分の中で必要、不必要の目安がある。必要なところをうまく取り入れ、引き出しも増やしていけたら」

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