羽生結弦、コロナ終息願いエール動画311秒 自粛生活延長…耐える人々に届けた

 フィギュアスケート男子で五輪2連覇王者の羽生結弦(25)=ANA=が6日、日本スケート連盟の公式ツイッターを通じて、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活が続くファンへ、合計5分11秒の大作動画をプレゼントした。自身も被災した2011年3月の東日本大震災以降9年間で自身が演じた17プログラムの冒頭部分を披露。氷上ではなく、室内での演技だったが、全身全霊の舞にコロナ終息への祈りを込めた。

 日常が失われ、誰もがこれまでのように心の底からは楽しめなかったゴールデンウィークの最終日。色を失う人々の心に“氷の英雄”が彩りを与えてくれた。

 4月21日から始まった日本スケート連盟の公式ツイッターでの選手たちのリレー動画メッセージ。“大トリ”で登場した羽生は、冒頭で「フィギュアスケーターの羽生結弦です。2011年3月11日から、今までの僕とプログラムたちの道のりです」と話すと、次々と王者への道のりを支えてくれた演目たちの冒頭部分を披露していった。

 コロナ禍のため、室内での演技だったが、11年の「White Legend」に始まり、ソチ五輪、平昌五輪の“金メダル演目”や、震災への思いを込めたエキシビションナンバー、「伝説のニース」と呼ばれる11-12年シーズンのフリー「ロミオ+ジュリエット」というファンの記憶に刻まれている名プログラムも演じられた。

 「Origin」や「レッツ・ゴー・クレイジー」では髪のセットも変えるなど細かな部分も再現。3つパートに分けられ、合計5分11秒に及ぶ大作は、最後に自身の代名詞でもあるプログラム「SEIMEI」で締めくくられた。

 4月に日本オリンピック委員会(JOC)を通じて発表されたメッセージ動画では、羽生は不要不急の外出自粛を呼びかけ、医療従事者への感謝、闘病する人々への思いを自身の言葉で語った。そして、東日本大震災の経験を交え「真っ暗闇なトンネルの中で希望の光を見出すことはとても難しいと思います。でも、3・11の時の夜空のように真っ暗だからこそ見える光があると信じています」と語っていた。

 今回の動画の合計秒数は311秒。羽生の思いが宿る数字だった。震災に、度重なる怪我や逆境を乗り越え、栄光を掴んできた羽生とプログラムの道のりは、これから先、人々がそれぞれ思い描く未来にも重なる。歯を食いしばり、今は耐えよう。きっと光が射し込むと信じて-。

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