東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長（８２）と武藤敏郎事務総長（７６）が４日、スイス・ローザンヌで開催された国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）の理事会に電話で参加後、都内で取材に応じた。新型コロナウイルスの感染が拡大し続け、７月２４日の開幕を危ぶむ声も広まる中、あらためて予定通りの開催を強調した。

　４カ月半後に迫った大会への影響が懸念される中、ＩＯＣと組織委のスタンスはみじんも揺らいでいない。大会を中止する考えがあるか、と問われた森会長は「まったく考えていない」と明言。ＩＯＣの理事会が開催された節目の日に、あらためて予定通りの開催を強調した。

　日に日に感染が拡大している新型コロナウイルス。仮に終息する気配が見られない場合、いつまでに開催の可否を判断するかと水を向けられると「神様じゃないんでね。そんなことは分かりません」と、語気を強める一幕もあった。

　理事会では大会への進捗（しんちょく）状況などを報告した。感染症対策については日本政府から２週間、スポーツなどの行事の規模縮小や延期に関する要請があったことや、すでに組織委内に対策本部を設置し、関係各所と連絡を取りながら対応してきたことなどを説明した。

　バッハ会長からは、日本の感染拡大の対策を踏まえ「７月２４日の五輪開会を確信している」との言葉があったという。一方、ＩＯＣの委員からは各方面とコミュニケーションを取っていくことが必要との指摘があったため、５日に各国の競技団体などに対して組織委としての方針などを通達する。

　森会長は「世論がある。いろいろな人の意見があるから耳は傾けなくてはいけない。日々変わっている。場所によっても変わっている」とも語った。柔軟な対応もしながら、五輪開催という不退転の決意を貫いていく。