「柔道・グランドスラムパリ大会」（９日、パリ）

　男子１００キロ超級で２４歳の影浦心（こころ）＝日本中央競馬会＝が、３回戦で五輪２連覇中のテディ・リネール（３０）＝フランス＝を延長の末、内股透かしによる技ありを奪い撃破。リネールが敗れるのは２０１０年９月の世界選手権無差別級での上川大樹戦以来約１０年ぶりで、国際大会での連勝は１５４でストップした。

　強がりか、本音か。約１０年間も負け知らずでスポーツ界の「生きる伝説」になったリネールは「こんなこともあるさ。肩の荷が下りた」と笑い飛ばした。男子１００キロ超級で３連覇の快挙を狙う東京五輪へ、絶対王者の足元が揺らいだ。

　調整不足は誰の目にも明らかだった。２メートルを超える体は体重増で緩みがうかがえた。初戦から技に切れを欠き、内股透かしで苦杯をなめた３回戦まで３試合連続で延長戦と苦戦した。「失望はしていない。大事なのは東京五輪で金メダルを取ること」。リネールは懸命に前を向いた。