豪栄道恩師・山田監督が号泣 「弱い心の分かる親方に」指導者となる教え子にエール

 大相撲で引退した元大関豪栄道の武隈親方(33)=境川=が29日、東京・両国国技館で引退会見を行い、「大和魂」、「やせ我慢」で戦い抜いた15年の土俵人生に胸を張った。

 埼玉栄高の恩師、山田道紀監督(54)は豪栄道の生きざまに号泣した。12日目に負け越して大関陥落が決定。その時「(引退意向の)話は聞いた」と言う。だが教え子はその後も出場。13日目、栃ノ心(春日野)戦で左前ミツを取って出足一気の寄り切りで勝った。

 「泣けた。部員全員を集めて、『これを見ろ。気合なんだ相撲は』と。彼の生きざまがあの一番に出てる。電話かけてきた人はみんな泣いていた。豪栄道の底力、精神力を見た」と声を絞り出した。

 引退の主因となった左足首じん帯負傷。監督は「深刻さが1、2、3だとしたら一番重い3。手術のレベルだった」と明かした。

 しこ名の「栄」、「道」に母校と監督への恩があふれる。監督にとっても思い入れのある教え子。「力士の親分的な存在。よく頑張ったが半分、寂しさが半分」。豪栄道が高校を名門に押し上げOBは現在、関取10人の一大勢力となっている。

 東日本大震災の時、米500キロを送ってくれ部員は救われた。毎年2回、米500キロ、肉200キロを差し入れてくれる。「怖そうだけど優しいんです」と監督は目を細める。指導者となる教え子に「栄の子を預けたい。弱い心の分かる親方になってほしい」とエールを送った。

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