瀬戸大也 日本記録に0秒04差V 自己ベスト1秒86更新「ここまで行くとは」

 「競泳・北島康介杯」(25日、東京辰巳国際水泳場)

 男子400メートル個人メドレーは、昨夏の世界選手権覇者の瀬戸大也(25)=ANA=が決勝で日本記録まで0秒04差に迫る4分6秒09の好記録で優勝した。自己記録を1秒86も更新。半年後に迫った東京五輪に向け、弾みを付けた。瀬戸が肉薄した日本記録4分6秒05を16年リオデジャネイロ五輪決勝でマークした萩野公介(25)=ブリヂストン=は体調不良のため、予選を棄権した。

 タッチの瞬間、ため息にも似たどよめきが会場に響いた。しかし瀬戸だけは、どこか蚊帳の外だった。

 「どういうこと?」

 電光掲示板を見て、やっと理解した。日本記録まで0秒04差の4分6秒09。自己ベストを1秒86も更新した。「タイムはビックリ。まさかここまで行くとは思っていなかった」。もちろん心は躍ったが、どこか落ち着いている自分もいた。

 大会前に風邪をひき本調子には遠かった。水曜は休養。その後も練習量はかなり落ちるなど不安要素は多かった。それでも積み重ねてきた練習を信じて序盤から攻め、350メートルまでは日本新ペース。「地力はついている。励みになる」。順調に進化を遂げている。

 2020年初レースのチャンピオンズシリーズ北京大会では200メートルバタフライで日本新、200メートル個人メドレーでも自己ベストをたたき出した。この国内初レースも続き、2020年決勝3レース全てが自己ベスト。五輪会場は隣に新しく完成する東京アクアティクスセンターだが、1月にしてリオ五輪の金メダルタイムに肉薄し、ケイリシュ(米国)の銀メダルタイムは上回った。“金メダルデモ”はばっちりだ。

 4月の日本選手権では「必ずこのタイムを上回れる自信がついた」と瀬戸。「後半耐えられるタフさをつけられればライバルはついてこられない」と自信をのぞかせ、五輪では「世界記録(4分3秒84=08年フェルプス)を目指してやっていけば簡単に金メダルが取れると思う。チャレンジしたい」とまで語った。ポジティブな瀬戸の前向き思考に拍車がかかっている。

 「やっと水泳が少し分かってきている気がする。自分らしく水泳ができている。泳いでいて楽しいので、その楽しい気持ちを五輪まで続けていきたい」。少年のように輝く瞳がその強さを物語っている。

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